セッション詳細
シンポジウム3 ダイバーシティ&インクルージョン 多様な健康背景の方の社会参加を支援するために産業保健職が理解すべきこと
2026年5月28日(木) 9:00 〜 11:00
第3会場
座長: 中西 麻由子(なかにしヘルスケアオフィス), 國枝 佳祐(パナソニック健康保険組合)
その判断・発言は、本人のためですか?社会のためですか?可能性を奪っていないですか?
ダイバーシティ&インクルージョンとは、多様性(ダイバーシティ)と包摂性(インクルージョン)の2つの言葉を組み合わせた用語で、多様な人材の活用とその多様性を尊重し受け入れ存分に生かされている状態を表し、その思考は持続的な成長に不可欠とされる。
経済産業省では、「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」をダイバーシティ経営として企業の競争力強化のため推奨し、多様な方々の経済活動参加を促している。産業保健職は多様な健康背景を持つ方々に個人にとっても組織にとってもWin-Winなパートナーとなれるよう双方へ専門的見地から適切な助言を行うことが求められる。
本シンポジウムは多様な人財に対して幅広い選択肢の中からより適切な助言・提案ができるためのヒントを考えてみる学びの機会として企画した。
最初に、医療的ケア児や様々な障害を持つ方とその家族が社会を構成する一員として活躍できる社会にむけて活動され、大阪・関西万博の「インクルーシブアドバイザー」を務められた中西氏の話から、私達の持っているアンコンシャス・バイアスの存在に気づかされることだろう。
次に、特例子会社で多様な方々が快適に働ける職場づくりを実践されている福岡氏より、ダイバーシティ経営の視点からお話を頂く。企業経営・人事労務的視点と障害者当事者視点のバランス両立を目指した現場の試行錯誤を通じ、多様性を発揮する工夫やその価値など新たな視点が得られることを期待したい。
そして三宅氏からは、特例子会社における産業医としての経験をもとに、知的障害のある従業員への健康支援やヘルスリテラシー向上の取り組み、さらに支援者側ケアの重要性について共有いただく。産業保健職が個々の特性や背景を理解し、職場と本人の橋渡し役としての役割を改めて考えることとしたい。
最後に脊尾氏からは、がん罹患者の雇用や社員シェアといった新しい働き方の実践を通じて、「働くこと」が生きることを支える社会の可能性について提示いただく。企業の意識変革を起点とした地域企業の連携や社会課題解決型の経営のあり方は、今後の雇用の在り方を考える上で重要な示唆を与えてくれるだろう。
「多様な人が働き、社会とつながりながら生きていく」にむけてそれぞれの立場で日々創意工夫しながら実践されている。本シンポジウムを通して、すべての働く人へ産業保健サービスを届けるために、多様な健康背景の方の社会参加を産業保健職の専門性と地域資源等を生かしながら支援できるようになるための思考の時間としたい。
