セッション詳細

メインシンポジウム1 産業保健に役立つ日本人の生活習慣病発症予防のエビデンスのすべて1

2026年5月28日(木) 9:00 〜 11:00
第1会場
座長: 林 朝茂(大阪公立大学大学院医学研究科産業医学), 溝上 哲也(国立健康危機管理研究機構 臨床研究センター 疫学・予防研究部)
 本メインシンポジウムは、「産業保健の現場ですぐに活用可能なエビデンス」を主題として、生活習慣病予防の中核をなす2つの重要な領域、すなわち 2 型糖尿病の発症予防と家庭血圧について、日本発の先駆的疫学研究の成果を基盤に構成したものです。 
現在、世界的に広く用いられている家庭血圧のエビデンスが、我が国から世界で初めて発信されたものであること、さらに、日本人における 2 型糖尿病発症のエビデンスが職域コホート研究により構築されてきたことを皆さんご存じでしょうか。 
 家庭血圧に関しましては、大久保孝義先生が、大迫(おおはさま)研究(The Ohasama Study)を基盤とした家庭血圧のエビデンスについて体系的にご紹介してくださいます。同研究は 1986 年に開始された岩手県大迫町の一般住民を対象とする長期前向きコホート研究であり、家庭血圧および 24 時間自由行動下血圧の臨床的意義を世界に先駆けて明らかにしてきました。大久保孝義先生は長年にわたりこの研究の中心的役割を担ってこられ、その成果は、日本高血圧学会のみならず、国際的な高血圧診療ガイドラインの基盤として広く反映され、家庭血圧に基づく高血圧管理の確立に大きく貢献しています。
 一方、2 型糖尿病につきましては、職域における大規模前向きコホート研究である The Osaka Health Survey および The Kansai Healthcare Study に基づき、生活習慣および臨床指標などと発症リスクとの関連に関するエビデンスを提示します。これらの研究は、身体活動、喫煙、飲酒、血圧、空腹時血糖、HbA1c、肝酵素など、日本人における 2 型糖尿病発症の主要な危険因子を先駆的に明らかにしてきた研究であり、わが国における 2 型糖尿病予防の疫学的基盤を形成してきました。これらの知見は国際的にも高く評価され、生活習慣病予防に関するエビデンスの発展に大きく寄与しています。本講演では、これらに加え、2 型糖尿病発症予防に関する国際的エビデンスについても可能な限り網羅的にご紹介する予定です。 
 本シンポジウムは、これら2つの領域における日本発のエビデンスを統合し、産業保健の現場における一次予防および疾病管理の在り方を再考する機会を提供するものです。日常生活に根ざした行動指標と精度の高い測定指標をいかに職域に実装していくかという観点から、産業医および保健スタッフにとって実践的かつ有用な示唆が得られると確信しています。 
 日本発のエビデンスが世界標準の形成にどのように寄与してきたのか、その過程をぜひご理解いただければ幸いです。

[MS1-1]日本人の家庭血圧からのエビデンスのすべて:産業保健現場での必須の知識

大久保 孝義 (帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座)
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[MS1-2]日本人の2型糖尿病発症予防のエビデンスのすべて:産業保健現場での必須の知識

林 朝茂 (大阪公立大学大学院医学研究科産業医学)
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