講演情報
[I-CPD2-3]当院における18トリソミーに対する心臓血管手術介入の現況について
○稲毛 章郎1, 藤岡 泰生1, 安川 峻2, 土田 裕子1, 宍戸 亜由美1, 杉山 隆朗1, 吉原 尚子1, 中尾 厚3, 小林 城太郎2, 土屋 恵司1, 大石 芳久1 (1.日本赤十字社医療センター 小児科, 2.日本赤十字社医療センター 心臓血管外科, 3.日本赤十字社医療センター 新生児科)
キーワード:
18トリソミー、心臓血管手術介入、在宅管理
【緒言】
18トリソミーは約9割に先天性心疾患を合併するが、本邦における先天性心疾患に対する手術介入については、施設間で意見が異なっている。
【当院の現況】
当院では、2005年より18トリソミーに対する手術介入を開始しVSDについては約100例に至っている。2019年の時点で64例のVSDに肺動脈絞扼術を日齢6~194(中央値19.5)に施行、その内の18例(28%)で心内修復術を7.6~50.7ヶ月(中央値18.2)に体重6.0+/-1.0 kgにて施行している。姑息術に留まった46例(72%)と比較し、それぞれ生存率が78%に対して44%、生存期間中央値が46.3ヶ月に対して17.2ヶ月と心内修復術が姑息術より有意に予後を改善することを示している。
また当院では、2011年より単心室形態についても在宅管理を目的に姑息手術のみの介入を行っている。左室低形成またはborderline LV 9例、大動脈弓離断複合1例の計10例に対して、両側肺動脈絞扼術7例、主肺動脈絞扼術3例を日齢4~55(中央値15.5)に施行し、1例で日齢136にPDAステント、1例で1歳時に2回の肺動脈形成術のカテーテル治療を追加している。6例(60%)で在宅管理へ移行出来たが 、生存例は4例で2例は気管切開、2例はNPPV管理中であり、最高齢は14歳3ヶ月である。死亡例6例の原因は心不全3例、呼吸不全1例、感染2例で、在宅管理中であった2例が8ヶ月時と16ヶ月時にいずれも感染症で死亡している。
【当院の方針】
我々の経験から、VSDでは心疾患以外に重篤な合併症がなく家族の手術希望がある場合、出生後早期に肺動脈絞扼手術を行った後、体重増加を待機し右室の心筋肥大が進行する前に心内修復術を施行している。
単心室形態では血行動態の複雑さに加え、低体重や心疾患以外の合併症が術後管理に悪影響をおよぼす可能性があるため、手術適応を慎重に見極めると共に、家族へ手術が在宅管理を目的とした姑息手術であることを説明し希望を十分に確認した上で、心臓血管手術の介入を行っている。
18トリソミーは約9割に先天性心疾患を合併するが、本邦における先天性心疾患に対する手術介入については、施設間で意見が異なっている。
【当院の現況】
当院では、2005年より18トリソミーに対する手術介入を開始しVSDについては約100例に至っている。2019年の時点で64例のVSDに肺動脈絞扼術を日齢6~194(中央値19.5)に施行、その内の18例(28%)で心内修復術を7.6~50.7ヶ月(中央値18.2)に体重6.0+/-1.0 kgにて施行している。姑息術に留まった46例(72%)と比較し、それぞれ生存率が78%に対して44%、生存期間中央値が46.3ヶ月に対して17.2ヶ月と心内修復術が姑息術より有意に予後を改善することを示している。
また当院では、2011年より単心室形態についても在宅管理を目的に姑息手術のみの介入を行っている。左室低形成またはborderline LV 9例、大動脈弓離断複合1例の計10例に対して、両側肺動脈絞扼術7例、主肺動脈絞扼術3例を日齢4~55(中央値15.5)に施行し、1例で日齢136にPDAステント、1例で1歳時に2回の肺動脈形成術のカテーテル治療を追加している。6例(60%)で在宅管理へ移行出来たが 、生存例は4例で2例は気管切開、2例はNPPV管理中であり、最高齢は14歳3ヶ月である。死亡例6例の原因は心不全3例、呼吸不全1例、感染2例で、在宅管理中であった2例が8ヶ月時と16ヶ月時にいずれも感染症で死亡している。
【当院の方針】
我々の経験から、VSDでは心疾患以外に重篤な合併症がなく家族の手術希望がある場合、出生後早期に肺動脈絞扼手術を行った後、体重増加を待機し右室の心筋肥大が進行する前に心内修復術を施行している。
単心室形態では血行動態の複雑さに加え、低体重や心疾患以外の合併症が術後管理に悪影響をおよぼす可能性があるため、手術適応を慎重に見極めると共に、家族へ手術が在宅管理を目的とした姑息手術であることを説明し希望を十分に確認した上で、心臓血管手術の介入を行っている。