講演情報
[I-CPD3-3]小児循環器一般病棟における不要アラーム低減への取り組み
○石橋 文1, 岩朝 徹2, 津田 悦子2 (1.国立循環器病研究センター 看護部, 2.国立循環器病研究センター 小児循環器内科)
キーワード:
生体モニターアラーム、小児循環器内科、不要アラーム低減
【はじめに】生体モニターは患者の呼吸心拍状況の把握・監視には必須の医療機器であり、アラームに対して迅速に対応することは重大インシデントの防止に繋がる。当病棟では先天性心疾患や補助人工心臓(以下EXCOR)装着患者などの小児の心疾患患者が入院しており、常時15~20人が生体モニターを装着している。様々なアラームが鳴動しておりスタッフが本当の緊急アラームに気付きにくいことが現状の課題である。【取り組み】当病棟で発生した1週間の全てのアラームを分析した。アラーム件数の上位の項目に着目し、その中に混じる不要なアラームを低減させる取り組みとして以下の3点を実施した。1.モニターリードの評価:現状使用しているA社のものと純正のB社ものと比較2.アラームサマリの活用:上下限指示の見直し、安全なアラーム設定の評価3.EXCOR装着患者のアラーム設定の見直し【結果】1.純正のB社とA社のリードではアラームの発生件数に差は認めなかった。純正のリードの使用で不整脈等の解析精度が向上し、テクニカルアラームの減少を期待したが、小児では体動の激しい児が多く、リード外れや解析不能などのテクニカルアラーム減少に繋げることができなかった。2.アラームサマリを活用し患者個々に適した安全なアラーム設定の見直しを行い、アラームの発生を低減させた。3.EXCOR装着患者は脱血管の吸い込みによる心室期外収縮によるアラームが発生し、注意喚起アラームが多発していた。実際には対応不要の状態であり医師と相談、一部の不整脈アラームをoffとした。結果、EXCOR装着患者のアラームは大幅に減少した。【結語】 これまでモニターアラームが鳴動していても鳴り続ける状況にスタッフが慣れてしまっていた。しかし今回の取り組みにより本当に必要な緊急アラームが残りやすくなり、スタッフのアラームに対する意識の向上や迅速な対応の促進に繋がり、医療の安全に寄与すると考えられた。