講演情報

[I-CPD3-4]アラーム疲労を防ぐ~小児医療現場における生体モニターの課題と対策~

藤森 伸江1, 宮島 明日香2, 宮川 麻紀2, 児野 徹3, 小嶋 愛4, 小沼 武司4, 澁谷 悠馬5, 米原 恒介5, 赤澤 陽平5, 武井 黄太5, 瀧聞 浄宏5 (1.長野県立こども病院 医療安全管理室, 2.長野県立こども病院 北棟4階病棟, 3.長野県立こども病院 臨床工学科, 4.長野県立こども病院 心臓血管外科, 5.長野県立こども病院 循環器小児科)
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キーワード:

アラーム疲労、個別性、混合病棟

近年、少子化の影響も受けて入院患者数の減少が著しく、当院でも病床ダウンサイジングに伴い複数混合科による病棟編成が余儀なくされている。循環器疾患の患者も混合病棟に入院し、乳児から成人期まで幅広い年齢層の患者の中に、多様な病態背景を抱えた患者が入り混じった環境となっている。こうした中、異常早期発見の目的で8割超す患者が生体モニターを用い管理しているが、病棟では常にアラームが鳴り響き、そのアラームに対応できていない状態、すなわち「アラーム疲労」が慢性化した環境となっている。当院における循環器疾患の患者は、啼泣などで安静を保ちにくい乳児も多く、またチアノーゼ性心疾患などでは「バイタルサインの正常値」の個別性も大きい。しかし、患者個々の発達や体格を考慮したモニターの装着方法や、アラーム設定の「指示内容」とその指示への「対応」など、スタッフによる個人差もみられ生体モニターの活用に関して複数の課題が挙げられる。具体的には、医師指示の意図が看護師に伝わりアラーム時には判断・対応ができること、生体モニターを効果的に扱えるためにCEとの連携体制が整っていること、生体モニターアラームの活用に関する看護教育の定着、などに関して見直し改善に向けた取り組みが求められる。そこで、生体モニターアラームに対応できる環境を整えることを目的に、医療安全の視点から多職種で構成したワーキンググループを立ち上げ活動することとした。ワーキンググループでは、他施設によるMACT(Monitor Alarm Control Team)の活動報告などを参考に、医師・看護師・CEなどそれぞれの職種が担っている役割から、業務を整理し実践できるよう活動計画をたてている。本セッションでは、その取り組みの実践内容と結果について報告する。