講演情報

[I-CPD3-5]小児病院におけるアラーム疲労の現状と取り組み

田中 靖彦1, 相原 厚美2, 牧田 彰一郎2, 花田 卓哉3 (1.静岡県立こども病院 循環器科, 2.静岡県立こども病院 医療安全管理室, 3.静岡県立こども病院 臨床工学室)
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キーワード:

生体モニタ、アラーム疲労、MACT

生体情報モニタがバイタルサインを継続的に測定することにより、医療者は患者の異常を即時に把握し迅速な対応を行うことができる。一方、頻繁になる警告音に日常的に暴露されることにより、感受性が低下し適切な対応ができなくりアラームを無視したり迅速な対応ができなくなる「アラーム疲労」が多くの医療機関で問題になっており、これに起因する医療事故も発生している現状がある。特に乳幼児の場合、心電図電極やパルスオキシメーターのプローブが外れてしまうことが多いことや、啼泣や体動により心電図が乱れやすいなどの理由から、実際にバイタクサインが悪化していないにもかかわらずアラームが発動する「テクニカルアラーム」の頻度が高いと推測される。当院では、アラームへの対応が適切でなかったと判断された医療事故が起こったことを契機に2024年度よりMACT(モニターアラームコントロールチーム)が結成され、アラーム疲労への対策が始まった。日本光電工業株式会社に依頼し内科系一般病棟における2ヶ月間のアラームの分析を行った。循環器病棟においては、22秒に1回の頻度でアラームの発動があり、57%がバイタルアラームではなくテクニカルアラームであった。最も緊急度の高い緊急アラームは0.5%と低く、解除率は77%であった。本パネルディスカッションにおいては、アラーム分析データの詳細を提示するとともに、MACTの1年間の活動を報告する。