講演情報

[I-CSY1-5]JCICからの2026年診療報酬改定提案の概要

藤井 隆成 (昭和医科大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

診療報酬改定、カテーテル治療、外科系学会社会保険委員会連合

小児、先天性心疾患のインターベンションに関わる診療報酬改定の要望は、これまで小児循環器学会から内科系学会社会保険連合(内保連)を経由して厚生労働省に提出されてきた。一方、他領域では、手術領域を示すKコードを有するカテーテル治療に関連する要望は、外科系学会社会保険委員会連合(外保連)を経由して提出されることが通例であった。これを受けて、2024年度より、小児、先天性心疾患のインターベンションの主学会であるJCICは新たに外保連に加盟し、2026年以降の診療報酬改定への提案に取り組むこととなった。本領域における診療報酬に関わる課題として、治療用医療機器の適応外使用が常態化していることに加え、手技自体が保険収載されていないものが存在すること、同時算定が可能な複数手技(複50算定)も限定的であることなどが挙げられる。血管形成術に関しては術後の症例に関してはK616-3経皮的胸部血管拡張術が適応されるが、「(先天性心疾患術後に限る。)」という制約があるため、未手術症例では算定可能な手技自体が存在しないという問題点も存在する。動脈管、体静脈や肺静脈の経皮的血管形成術、ステント留置などがこれに該当する。また、その他にも保険収載されていない手技には、経皮的冠動脈瘻閉鎖術、経皮的Fontan開窓閉鎖術などが存在する。JCICでは、2026年の診療報酬改定に向けて、これらの手技に関して実態調査を行い、外保連試案への掲載を要望し承認を得た。複数手技の同時施行はJCIC-Registryの年次報告によると例年300セッション以上で行われている。複数の標的に対する血管形成術、血管形成術と塞栓術の同時施行などがこれに該当し、複50算定の特例として改定の要望を行う予定である。JCICでは、現在これらの手技に関してJCIC-Registryの解析を行い、2026年の診療報酬改定要望に向けた準備を行っている。