講演情報

[I-HRS-1]名古屋市学校心臓検診方式と精度管理システム

加藤 太一1, 馬場 礼三2, 長嶋 正實3 (1.名古屋大学大学院医学系研究科成長発達医学, 2.中部大学生命健康科学部, 3.愛知県済生会リハビリテーション病院)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

学校心臓検診、精度管理、学校生活管理指導表

質の高い学校心臓検診のためには、精度管理は非常に重要である。 名古屋市の学校心臓検診の形式として、一次検診は12誘導心電図により独自のパソコンソフトから閲覧、判定が可能な方式となっている。その後、一次検診で要精査となった者のうち、すでに診断され、医療機関にて管理されている者は学校生活管理指導表の提出を三次検診にかえており、それ以外は二次検診以降の精査に進む。二次検診では心房中隔欠損症や心筋症などの疑いがあるものに対してエコーを行う。検診会場に来場してもらう形式で行っており、自由に医療機関を受診できるようにはしていない。さらに、三次検診は名古屋市内の指定医療機関で行っており、そこで診断・学校管理が決定されている。ただし、診断困難な症例のみ、さらなる検査を専門医療機関で行なっている。一次検診から三次検診までは小児循環器医がすべて行っており、上級医が確認することで精度を保っている。さらに、二次検診、三次検診の結果は精度管理担当医が改めて検査内容、検査結果などを確認したうえで、疑義があれば検診担当医に問い合わせをするなどしている。 三次検診終了後に検診担当医、検査技師、学校関係者などの関係者が集まる検討会で精度管理担当医のまとめたデータをもとに、判定に疑義のある症例、診断に注意すべき症例、判断の難しい症例などについて確認および意見交換するとともに、学校心臓検診における最新情報の共有を行っている。学校心臓検診のデータについては報告書を作成し、検診担当医などの関係者および各学校に配布している。このように複数の目で検診内容を確認し、精度管理の結果を関係者にフィードバックすることで質の高い学校心臓検診を維持している。