講演情報

[I-HRS-2]学校心臓検診の精度管理 東京都の現況

鮎澤 衛1,2 (1.神奈川工科大学 健康医療科学部, 2.東京都医師会都立学校心臓健診判定委員会)
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キーワード:

東京都、学校検診、心臓検診

東京都の学校心臓検診の体制は、対象者と学校数の多さから一様に説明することは難しい。演者の関与する範囲では、2つの体制がある。都内広域に学区・学校と契約している検診事業者が多くの専門的医療機関と提携して1次検診から3次検診(病院精査)が行われる体制(1)と、都の教育庁から東京都医師会への委託により、医療機関と医師会からのメンバーによって構成される都立学校心臓検診判定委員会(2)である。10社前後の検診事業者が委託され実施している。ともに30年以上継続的に行われている。これら以外の地域では、地区医師会で学校検診の委員会を組織して対応している。(1)では、最近10年間の対象者は12万人前後で推移している。毎年の各年度の成績を事業者と協力して統計的にまとめ、年報として発刊、Web掲載するとともに、毎年、注意すべき事例や判定基準について、検討する時間を設けている。対象者の多さから、全てを網羅して検討することは困難で、各施設での指導体制が重要と考えられる。(2)では、対象者は例年約4万5千人前後で、判定委員会は毎年4月から7月に毎週1回開催され、検診実務を行いながら、合議の必要な事例の検討を行って判定を進めている。結果報告の会と、教育機関及び検診事業者打合せ会で結果のフィードバックを行なっている。こちらでも対象者数が多いため、個別事例についての詳細な検討が困難である点が課題である。 いっぽうで(1)(2)ともに、長期に大きな集団での疫学データを集積可能であり、有意義に活用していくことが望まれる。