講演情報

[I-OR01-03]TPVI導入前後における右室流出路への治療介入の変化についての検討

村山 友梨, 藤本 一途, 加藤 愛章, 黒嵜 健一 (国立循環器病研究センター 小児循環器内科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

TPVI、RVOT、PVR

【背景】2023年3月から本邦でHarmony valveを用いたTPVIが開始され、肺動脈弁逆流への治療選択肢が広がった。【目的】Harmony TPVを用いたTPVI導入前後での手術介入例の変化、およびTPVI症例の背景を検討する【方法】TPVIが現実的な治療選択肢となった2022年前・後での当センターにおけるRVOTに対する手術介入例(2000年1月~2021年12月:B群、2022年1月~2025年1月:A群)、およびTPVI例(H群)(2023年3月~2025年1月)の患者背景について検討した。【結果】患者内訳はB群17例、A群15例、H群34例、うち染色体・遺伝子疾患合併はB群0例、A群1例、H群4例、無症状例はB群2例、A群5例、H群4例であった。治療時年齢中央値はB群36.9歳、A群30.6歳、H群34.2歳、治療前RVEDVI中央値はB群176.0ml/m2、A群152.0ml/m2、H群162.5ml/m2、RVEF中央値はB群42.0%、A群47.5%、H群45.0%であった。手術介入例中、PR/PS/PSRはB群:13例/2例/2例、A群:6例/2例/7例であり、A群PR6例のうち、形態的TPVI不適合が2例、PAへのカテーテルアプローチ困難が1例、MR合併が1例であった。肺動脈弁置換は、B群でMosaic 14例、CEP 1例、Homograft 1例、valved conduit 1例、A群でEpic 6例、INSPIRIS 8例、valved conduit 1例が使用された。H群中、TPVI選択理由は年齢4例、心機能低下4例、呼吸機能低下4例、腎機能低下2例、肝障害、内分泌疾、腫瘍合併がそれぞれ1例であった。治療後2例でJunctional rhythm/ATを認めたが内服治療で改善、その他の早期合併症は認めていない。【考察】TPVI導入により、RVOTに対する手術介入時期もより早期かつ右室拡大が進行する前に介入する傾向があった。手術介入も将来のvalve-in-valveを見据えた外科弁選択を行い生涯での手術介入回数を減らせるよう変化していた。