講演情報
[I-OR02-01]HARMONYによる経カテーテル肺動脈弁留置術(TPVI)における頚静脈アプローチ:成功のための準備と戦略
○檜垣 高史1,2,4, 赤澤 祐介3,4, 小暮 智仁6, 北野 正尚8, 朝貝 省史7, 稲井 慶7, 太田 雅明2,4, 千阪 俊行2,4, 前澤 身江子2, 柏木 孝介2, 打田 俊司4,5 (1.愛媛大学 医学部 小児・思春期 療育学講座, 2.愛媛大学 医学部 小児科学講座, 3.愛媛大学 医学部 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学, 4.愛媛大学医学部附属病院 移行期・成人先天性心疾患センター, 5.愛媛大学 医学部 心臓血管・呼吸器外科学講座, 6.東京女子医科大学病院 循環器内科, 7.東京女子医科大学病院 循環器小児・成人先天性心疾患科, 8.沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 小児循環器内科)
キーワード:
HARMONY TPVI、頚静脈アプローチ、Flowering Technique
【緒言】HARMONYによるTPVIは、2023年3月に国内で導入され、順調に経験が積み重ねられている。通常、大腿静脈からアプローチするが、特定の症例では内頚静脈アプローチが選択される。頚静脈アプローチを安全に実施するための準備と戦略について述べる。【対象と方法】対象は8例(年齢19~75歳、肺動脈弁逆流率36~65%、RVEDVI 138~253ml/m2、QRS幅132~228msec、NYHA1~4)。頚静脈アプローチを選択した理由は、IVC欠損、多脾症候群、両側大腿静脈閉塞、下肢静脈血栓などで、1例はFVからのデリバリー困難予想であった。すべて右内頚静脈からアプローチし、留置手技は標準通り行われた。シースはGORE DRYSEAL Flex Introducer Sheath 26Fr-33cmを使用し、すべての症例にTPV25mmが留置された。6症例でFlowering Techniqueで留置した。【準備と戦略】1.患者セットアップでは、術者が頭側に立てるよう透視装置を清潔シーツで覆い、清潔区域を確保。2.右上肢を挙上せず、透視を遮らない位置に固定。3.Delivery catheter system(DCS)を押すと患者左外側に力がかかり、左肺動脈に跳ねやすいことに注意。4.DCSを引く際、ガイドワイヤーで右房・右室・肺動脈のループ形状を維持しながら引き操作を行うことが重要。5.Flowering Techniqueを使用することで、安定した引き操作が可能になる。6.Perclose ProStyleが使用できないため、止血は手圧迫で行い、ICUで抜管。7.DRYSEAL SheathはRA内に留める。短いため手技中に抜けやすい。【結語】 頚静脈アプローチは、適切な準備と戦略を持って行うことで安全に実施可能であり、経験の蓄積と情報共有が重要である。