講演情報
[I-OR02-02]Harmony valve留置時の問題点と対応策 -19例の経験から-
○北野 正尚1, 島袋 篤哉1, 西岡 真樹子1, 吉野 桂佑1, 長元 幸太郎1, 渡邊 康大1, 石道 基典2, 西岡 雅彦2, 佐藤 誠一1 (1.沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 小児循環器内科, 2.沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 心臓血管外科)
キーワード:
Harmony valve、Balloon dilation、Balloon assist
【背景】右室流出路-左右肺動脈の形態は様々である。Harmony弁留置の適応評価にフィットアナリシスによる解析は不可欠であるが,非定型手技が必要となることは多い。【方法】フィットアナリシスで適応ありと判断され,2023/6/22以降に当院でHarmony TPVIを施行した19例(年齢13-66歳 (med. 25),体重30-71kg (med. 51),女性7例)中15例,のべ20病変に非定型手技を施行した。その問題点と対応法に関して検討した。【結果】20病変における問題点と対応法:1. 主肺動脈/肺動脈弁輪の径不足: 18-21mm (n=4)。25mm Z-MED2 4 atmの前拡張で23.5-25mmまで拡張確認後,25mm Harmony弁留置可能。留置前後で右室肺動脈圧較差は12-27から2-13mmHgへ改善。2. 25mm弁留置後,フレームの一部の拡張不全 (3)。25mm Z-MED2で後拡張し,形態は改善。3. PDA diverticulum/広範囲石灰化のためデリバリーシステムのデリバリ困難。左肺動脈から留置/バルーンアシストの併用によりデリバリ可能。4. 左肺動脈欠損 (2)。右肺動脈の屈曲部を避けて,大部分を主肺動脈に留置。5. 主肺動脈の瘤状拡大 (2)。Row 1-2展開後,Row 3-6を素速く展開,デタッチして留置可能。6. 下大静脈/両側大腿静脈閉塞 (2)。右内経静脈から留置可能。7. 極めて短いLanding zone (5)。Flowering techniqueで高位置に留置可能。合併症:瘤状主肺動脈に25mm弁留置後,Row 2-3間の拡張不全に対して25mm Z-MED2で後拡張時にフレームが上方移動し,Row 5-6のceiling不良。弁周囲逆流は1ヶ月後にほぼ消失。【結論】右室流出路-左右肺動脈の形態は様々であり,非定型手技が必要となる場合は多く,様々な対応策が必要となる。Flowering techniqueやバルーンカテーテルによる前拡張,後拡張,デリバリ時のアシストは治療幅を広げる有力な手段と思われる。