講演情報

[I-OR11-01]レベルII 胎児心臓超音波検査 オンライン全国登録について

瀧聞 浄宏1,2, 武井 黄大1,2, 加地 剛1,3, 川崎 有希1,4, 石井 徹子1,5, 新谷 光央1,6, 高橋 美穗1,7 (1.日本胎児心臓病学会 総務委員会, 2.長野県立こども病院 循環器小児科, 3.徳島大学医学部産婦人科学分野, 4.大阪市立総合医療センター 小児循環器科, 5.千葉県こども病院 循環器科, 6.浜松医科大学 産婦人科, 7.筑波メディカルセンター病院 小児科)
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キーワード:

胎児心臓病、登録、レベルII胎児心エコー検査

【目的】学会が主体となって行っているレベルII胎児心臓超音波検査の多施設間オンライン登録を解析、報告する。【対象と方法】2004年10月1日より2024年12月31日に登録されたレベル(II)胎児心臓超音波検査139920件。登録の経年変化、各県の登録数、疾患分類や疾患別登録割合、NDBオープンデータと登録の差について解析した。【結果】経年的に登録は増加、2009年頃まで1500-2000件前後だったものが近年は14000件以上に登り(2024年は14370件)、疾患分類では先天性心疾患が54174件39%、正常が54905件39%、不整脈が6100件4%、心外異常13305件10%であった。各県の総登録数は、大都市圏の東京、神奈川、大阪、北海道が上位で22589、15058、14220、7778件であった。2024年の登録数が40件以下の県は、7県であった。22週未満の総件数は、19551件(14%)であった。2014-2022 年度のNDBオープンデータとの差は、登録数が+20091件(登録件数―NDBオープンデータ)で、さらに地域差があった。先天性心疾患の内訳では、VSD10094件(19%)、SRV3088件、SLV671件、DORV5911件、HLHS3730件、AVSD4121件で、四腔断面の異常を示すものが多い。しかし、dTGA2864件(5.3%)、Simple CoA1898件、IAA888件と診断が難しいとされるものでは少なく、TAPVCは697件(1.3%)であった。経年的に初回のdTGA, TAPVCの件数は横ばいとなってきている。【結語】胎児オンライン登録は認証医制度設立以降、著明に増加した。地域ごとの登録数の差はやや少なくなってきているものの、依然として存在する。さらに胎児心臓病スクリーニングの裾野を広げて、レベルII診断のさらなる向上を図る必要がある。