講演情報

[I-OR14-01]腹部植込み型心臓電気デバイスのダブレット電磁干渉アンケート調査

藤田 修平1, 泉 岳1, 鈴木 嗣敏1,2, 宮崎 文1,2, 早渕 康信2, 岩本 眞理2 (1.日本小児心電学会・タブレットEMIワーキンググループ, 2.日本小児心電学会役員)
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キーワード:

植込み型心臓デバイス、タブレット、マグネットレスポンス

背景: 腹部植込み型心臓電気デバイス(CIEDs)近くでタブレット、ノートパソコンを使用することで電磁干渉(EMI)の報告がされているが、本邦の腹部CIEDs件数は不明で、EMI発生頻度や原因は明らかではない。目的: 腹部CIEDs症例数とEMIによるマグネットレスポンス発生状況に関して全国規模で把握すること対象と方法 :腹部CIEDs症例の主要な疾患群である小児・先天性心疾患を扱う全国の主要施設へ腹部CIEDs植込み症例数、マグネットレスポンス発症有無、発症時の状況に関してアンケート調査を実施し、その結果を解析した結果:アンケート調査は全国122施設より回答を得ることができた。腹部CIEDsの総数は2411例であった。マグネットレスポンス作動は11施設(9.0%)、31症例(1.3%)の報告があった。マグネットレスポンス作動CIEDs機種はペースメーカ30例(98.7%)、ICD1例(1.3%)であった。発生場所は学校11例(35.5%)、自宅3例(9.7%)、不明 17例 (54.8%)であった。推測される原因は内臓スピーカ7例(22.5%)、ケースの磁石2例(6.5%)であった。1例でパソコン起動時にマグネットレスポンスが発生した。マグネットレスポンスに伴う症状や、心室性不整脈誘発・ICD治療抑制の有害事象の報告はなかった。結語: 本邦で腹部CIEDs症例数は2411例で、うち1%で、磁石付きカバー・タブレット・ノートPCによるマグネットレスポンスが同定された。磁石付きカバー、タブレット、ノートPCのマグネットレスポンスは、有害事象を誘発する可能性があり、医療従事者・患者への注意喚起が必要である。