講演情報

[I-OR14-05]カテーテルアブレーションはどのぐらいの体格なら安全にできる?

青木 寿明, 海陸 美織, 加藤 周, 西野 遥, 長野 広樹, 林 賢, 森 雅啓, 松尾 久実代, 浅田 大, 石井 陽一郎 (大阪母子医療センター 循環器科)
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キーワード:

カテーテルアブレーション、小児、安全

背景 小児期のアブレーションは体重15kg以上で施行することが各種ガイドラインで推奨されている。経験の蓄積により15 kg未満でも安全に行えることが報告されている。目的 体重15kg未満でも安全に行えるかを調査すること 方法 2014年から2025年までに当院で施行したカテーテルアブレーションの患者を体重15kg以上(L)と未満(S)の群に分け、成功率、再発率、線量、合併症について比較した。対象群のアブレーション適応は日本循環器学会、Heart rhythm societyの適応に準拠している。結果 それぞれS, L群は23セッション、 210セッション、房室副伝導路 (AP)、房室結節リエントリ頻拍 (AVNRT)、心房頻拍(AT)、心室期外収縮/頻拍 (PVC/VT)がそれぞれS群 11/4/8/1、L群104/24/34/47であった。急性成功率は96%、98%、再発は27%, 10%、透視線量は49、80 mGy、合併症は3 (13%), 5 (6%)であった。S群の不成功は1例、4.5 kg 修正大血管転位 (ccTGA)、AP、再発は6例、体重3.1 kg 左心低形成症候群(HLHS), AT、体重3.5 kg histiocytoid cardiomyopathy・AP 1例、AP (paraHis)・心機能低下 2例(体重 9kg, 14kg)、体重 7 kg・ccTGA・AVMRT、体重 12 kg、無脾症、フォンタン後、AVNRTであった。合併症は3例、HLHS, AT例で上大静脈(SVC)隔離施行時のSVC狭窄、無脾症、フォンタン、ワーファリン内服の患者の鼻出血、鋳型気管支炎再発、AP(paraHis)の高周波アブレーション後の右脚ブロックであった。死亡、心筋梗塞は認めなかった。結語:体重 15kg未満でも多くの症例が安全に行うことができ、急性成功率も高かった。体格が小さい症例でも重症度を鑑みアブレーションが可能である。特殊な刺激伝導系、para His AP、重症先天性心疾患に合併する周術期のATでは難渋する症例がある。