講演情報

[I-OR14-06]小児期に発症した心房粗動にアブレーションを施行した症例の予後

豊原 啓子 (東京女子医科大学 循環器小児・成人先天性心疾患科)
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キーワード:

心房粗動、カテーテルアブレーション、洞不全

背景:基礎心疾患のない小児における心房粗動は数が少ない。また長期予後は不明である。症例:心房粗動を認めた基礎心疾患のない7例(7~14歳)である。5例が自覚症状なく学校検診の心電図で認めた。1例は胸痛のため心電図検査時に指摘された。1例は徐脈で経過観察中、定期検診時の心電図で認めた。全例心機能低下は認めなかった。結果:全例に電気生理検査時に心房粗動を認め、三尖弁-下大静脈の線状カテーテルアブレーション(CA)に成功した。右心房内に低電位領域は認めなかった。また2例に洞不全を認めた。洞不全を認めなかった1例は、4か月後運動時失神から心室細動となり死亡した。6例のフォロー期間は4~14年である。遺伝子検査を4例に施行、1例にSCN5A異常を認め、徐脈による自覚症状が出現しペースメーカー植込み術を行った。2例はCA後それぞれ9年、10年で心機能低下が進行し拡張型心筋症として経過観察している。結論:基礎心疾患のない小児の心房粗動CA後も長期的な観察が必要である