講演情報
[I-OR15-05]茨城県サッカー協会におけるコーチライセンス取得コースでの心肺蘇生教育
○吉澤 あやさ1,3, 安田 貢2,3, 塩野 淳子1 (1.茨城県立こども病院, 2.白河厚生総合病院, 3.NPO法人 日本ACLS協会 茨城トレーニングサイト)
キーワード:
心肺蘇生、教育、サッカー
<背景>日本サッカー協会(JFA)はサッカーを通じ人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献することを理念としている。活動の一つに指導者養成があり、キッズレベルからプロレベルまでに合わせた8段階のライセンス取得を支援している。講習内容はJFAの規定を元に、各都道府県のサッカー協会が企画・運営をしている。中でもDライセンスコーチ養成講習会では、子どもたちにサッカーを教え、安心してプレイできる環境を提供する指導者を養成している。実際の受講者はピッチに入る保護者が多く、子どもの緊急事態へ備えることは重要な役割となる。一方、茨城県は救急車の平均現場到着時間が10分を超える現状であり、茨城県サッカー協会(IFA)では、2023年からDライセンスコーチ取得のプログラムにAHA-ハートセイバーCPR・AEDコース(CPR・AEDコース)を取り入れ、Dライセンスコーチ取得の必須条件とした。<方法>2023年5月から2024年11月まで、茨城ACLS協会とIFAが共催しDライセンスコーチ取得者にCPR・AEDコースを開催した。コース内容は、小児と成人の心肺蘇生法・AEDの使い方・窒息の対処方法とした。CPR・AEDコース開始前にバイスタンダーCPRの重要性の講義をした。受講者総数は318人で、コース終了後にアンケート調査を実施した。<結果>アンケート結果では、「自身が学んだことを他者に伝えたい」「子どもたちの安全のために必要」「行動することが大切」というバイスタンダーCPRへの前向きな意見が多くあった。<考察>実技を主としたCPR・AEDコースに加え、心肺蘇生への動機づけを目的として講義を実施した。アンケート結果から、受講者である保護者にバイスタンダーとして行動する意欲を高める効果が期待できる。<結論>子どもたちが安心・安全にサッカーをするために指導者への心肺蘇生教育は必要である。今後、現在の講習内容に加えファーストエイドを組み込み内容の充実化を検討していく。