講演情報
[I-OR16-01]PA/IVS, critical PSの小児における2D speckle-tracking法による右房機能評価の試み
○増田 祥行, 實川 美緒花, 荻野 佳代, 林 知宏, 脇 研自 (倉敷中央病院 小児科)
キーワード:
speckle-tracking、右房機能、右室拡張障害
【緒言】PA/IVSおよびcritcal PSは右室拡張機能障害をきたす疾患である。二心室修復を行ったPA/IVSの成人においては肝腎機能障害、心房性不整脈や心不全の有病率が高く、右室拡張機能障害と関連があるとされており、右房機能不全が認められている。【目的】2D speckle-tracking法を用いて、二心室循環PA/IVSおよびcritical PSの右房機能を明らかにすること。【対象および方法】二心室修復を行ったPA/IVSおよびcritical PSの小児5例(以下PA/IVS群)において2D speckle-tracking法を用いて右房のreservior strain(以下RS)、conduit strain(以下CdS)、contractile strain(以下CtS)を計測した。使用機種はphilip社製EPIQ Elite。また右室拡張機能評価として、右室流入血流波形:E/A、組織ドプラ法(TDI):E/e’を計測した。それぞれ対照群(正常心機能群)の15例と比較検討を行った。PA/IVS群の年齢は1-9歳(中央値5歳)で、対照群の年齢は6-13歳(中央値6歳)であった。【結果】それぞれPA/IVS群vs対照群で比較。RS=30.3【23.9-47.4】vs51.1【42.8-54.9】(P=0.168)、CdS=-18.7【-24.0--9.5】vs-33.2【-41.5--27.7】(P=0.0184)、CtS=-14.3【-23.4--11.6】vs-12.7【-16.2--11.3】(P=0.631)でありCdSで有意差を認めた。またE/A=0.8【0.7-0.9】vs1.6【1.3-1.9】(P=0.018)、E/e’=9.6【8.9-12.1】vs4.3【3.5-4.8】(P=0.0145)であり、E/A、E/e’はともに有意差を認めた。またRSとE/Aの相関はr=0.872(p=0.0539)、RSとE/e’の相関はr=-0.57(p=0.316)と有意な相関は認められなかったが、RSとE/Aに関しては相関する傾向が見られた。【結語】PA/IVSやcritical PSの児では小児期からすでに右室拡張機能低下により右房機能が低下している可能性がある。