講演情報
[I-P01-1-03]学校心臓検診心電図検診において、心電図記録時に技術的な過誤が潜在している可能性についての検討
○岡川 浩人 (地域医療機能推進機構滋賀病院 小児科)
キーワード:
学校心臓検診、心電図、陰性T波
【はじめに】学校心臓検診では、V4陰性T波や左室肥大(LVH)疑いに対し、年齢に応じた電位の診断基準に基づいて要精検が判断される。心電図判読医は、心電図が「正しいもの」として診断するが、今回その前提に懸念を生じる事例を経験したので報告する。【方法】2019年から2024年まで大津市学校心臓検診一次心電図検診を行ったのべ17校を対象とし、小学校1年次・4年次におけるV4陰性T波、LVH疑いの頻度を比較検討した。また、検診全体で疑義のある2校について検討を行った。【結果】2024年の1校のみV4陰性T波(小1 10.5%、小4 6.9%)、LVH疑い(小1 6.9%、小4 5.7%)が突出して高かった。心電図再検、精検も含めて検討したところ、精研未受診者を除き全例正常と診断された。別の1校でも1年のV4陰性T波頻度が19%と突出して高かったが、心電図再検・精検を含めて検討すると精研未受診者以外正常と診断された。【考察】今回の過誤は電極装着部位のずれによると推定された。記録された心電図から記録時の過誤を推定することは困難であるが、今回、異常が突出して多かったために過誤が判明した。【結語】心電図検診においては、技師の技術的問題が潜在していることも考慮する必要がある。