講演情報
[I-P01-3-02]当院における胎児心疾患診断率
○石井 徹子, 佐藤 要, 矢野 瑞貴, 西畑 綾夏, 東 浩二 (千葉県こども病院)
キーワード:
胎児診断、四腔断面、ガイドライン
背景2021年の胎児心臓エコー検査ガイドライン改定により四腔断面に異常をきたさない疾患の診断率の向上が期待されるが、未だ動脈管ショックによる入院を時に経験する研究目的当院の胎児心疾患診断率の推移と、地域格差を検討し、更なる診断率の向上に必要なことを明らかにすること。方法NICU入院記録から、心疾患合併新生児の心疾患を四腔断面に異常をきたす疾患と、きたさない群に分類。2019年からガイドライン改定の2021年を挟んで2024年までの診断率の推移を検討した。また四腔断面に異常をきたさない疾患として、大動脈縮窄症(CoA)および大血管転位症(TGA)に関し、地域基幹病院4病院に分けて胎児診断率を検討した。結果四腔断面異常疾患あり疾患の胎児診断率は2019年に87%でそれ以降78%、67%、93%、87%、67%と一定の傾向はなく横ばいであった。これに対し異常なし疾患は2019年40%から50%、80%と2021年にかけて上昇し、それ以降は75%、64%、70%と横ばいで経過していた。また地域基幹病院4病院のうち3病院ではTGAの胎児診断率は100%、CoAの診断率は75-100%であったのに対し、他の1病院はTGA、CoAともに胎児診断0%であった。考察ガイドラインが改定された2021年の前後で、四腔断面に異常をきたす疾患、きたさない疾患いずれにおいても明らかな診断率の増加は認められなかった。一方胎児診断には地域格差があるものと思われた。結語更なる胎児診断率の向上のためには、胎児診断率の低い地域、医療機関を明らかにして、地域別、医療機関別に、胎児心エコー検査の普及の働きかけが必要と思われた。