講演情報
[I-P01-3-09]胎児肝静脈の流入波形は心房期外収縮におけるブロックの有無(blocked PAC)の評価に有用か
○加地 剛, 峯田 あゆか, 吉田 あつ子, 岩佐 武 (徳島大学病院 産科婦人科)
キーワード:
胎児不整脈、dual gate Doppler、心房期外収縮
【目的】パルスドプラ法による胎児肝静脈の血流計測は、心房収縮波を容易かつ明瞭に描出できる。そのため心房収縮の有無を評価するのに適しており、胎児不整脈の簡便な診断方法として用いられる。しかしながら心室収縮の評価が困難であるためその有用性は限られている。一方、肝静脈波形には心房収縮波だけでなく、右心房に流入する流入波(S波およびD波)があり、S波は心室収縮の影響を受けて形成される。今回、肝静脈の流入波形が、心房期外収縮(PAC)における心室収縮の有無(blocked PACか否か)を評価する指標として有用かを検討した。
【方法】2016年から2023年3月までに当院で胎児診断した24例のPACを対象に後方視的に検討した。検討には保存されたdual gate Dopplerを用いて記録した肝静脈-下行大動脈波形の静止画像を用いた。まずPAC直後の肝静脈流入波形を一峰性と二峰性に分類し、次に下行大動脈波形から心室収縮の有無について検討した。2~4段脈は1回の心拍についてのみ含めた。
【結果】45回のPACについて解析した。25回が心室収縮あり、20回が心室収縮なし(blocked PAC)であった。一方、肝静脈の流入波形は一峰性が16回、二峰性が29回であった。
・一峰性の16回はすべて心室収縮なし(blocked PAC)であった。
・二峰性の29回のうち、25回(86%)が心室収縮ありで4例が心室収縮なし(blocked PAC)であった。
【結論】PACにおいて、直後の肝静脈流入波形は心室収縮の有無と関連することが示唆された。流入波形が一峰性であればblocked PACである可能性が高い。心房収縮波だけでなく流入波形も胎児不整脈の評価に有用である。
【方法】2016年から2023年3月までに当院で胎児診断した24例のPACを対象に後方視的に検討した。検討には保存されたdual gate Dopplerを用いて記録した肝静脈-下行大動脈波形の静止画像を用いた。まずPAC直後の肝静脈流入波形を一峰性と二峰性に分類し、次に下行大動脈波形から心室収縮の有無について検討した。2~4段脈は1回の心拍についてのみ含めた。
【結果】45回のPACについて解析した。25回が心室収縮あり、20回が心室収縮なし(blocked PAC)であった。一方、肝静脈の流入波形は一峰性が16回、二峰性が29回であった。
・一峰性の16回はすべて心室収縮なし(blocked PAC)であった。
・二峰性の29回のうち、25回(86%)が心室収縮ありで4例が心室収縮なし(blocked PAC)であった。
【結論】PACにおいて、直後の肝静脈流入波形は心室収縮の有無と関連することが示唆された。流入波形が一峰性であればblocked PACである可能性が高い。心房収縮波だけでなく流入波形も胎児不整脈の評価に有用である。