講演情報
[I-P01-4-09]心房中隔欠損症における運動耐容能低下の決定因子
○豊村 大亮, 田中 惇史, 峰松 優季, 池田 正樹, 峰松 伸弥, 清水 大輔, 杉谷 雄一郎, 渡邊 まみ江, 宗内 淳 (JCHO九州病院 循環器小児科)
キーワード:
心房中隔欠損症、運動耐応能、肺血管抵抗
【背景】心房中隔欠損症(ASD)は一般的には運動耐応能が保たれているとされているが、一部で運動耐応能の低下を認める症例が存在する。
【目的】ASDにおける運動耐容能低下に影響を与える因子を明らかにする。
【方法】2019年1月~2024年12月にASDに対して同時期に心肺運動負荷試験(CPX)、心臓カテーテル検査(Cath)、心臓MRI(CMR)を実施した38例を対象とした。CPXで計測されたmax HR、%peak VO2、%peak VO2/HR、%AT、VE vs VCO2 slope、%ΔVO2/ΔWRとCathでの圧データ(平均肺動脈圧、左室拡張/収縮末期圧、右室拡張/収縮末期圧)、肺血管抵抗(RpI)、肺血管キャパシタンス(Cp)、CMRでのQp/Qs、両心室容量指標(拡張/収縮末期容量、1回心拍出量)と比較した。
【結果】対象の年齢は11.4 ± 0.4歳、max HR 184.6 ± 16.2 bpm、%peak VO2 98.7 ± 18.4 %、%peak VO2/HR 73.8 ± 32.5 %、%AT 124.3 ± 29.1 %、VE vs VCO2 slope 27.1 ± 4.7、%ΔVO2/ΔWR 107.3 ± 12.0 %であった。80%以下は%peak VO2 で4例 (10.5%)、%peak VO2/HRで25例 (65.8%)存在し、平均値も%peak VO2/HRが有意に低かった。 %peak VO2は左室拡張末期容量/収縮末期容量指数(ml/m2)と正相関(r = 0.48, p = 0.006 / r = 0.4, p = 0.026)、%peak VO2/HRはRpIと負相関、Cpと正相関 (r = -0.37, p = 0.03 / r = 0.45, p = 0.007) を認めた。また、Qp/Qs、肺動脈圧や右室容量との相関性は認めなかった。
【考察】ASDの一部で運動耐応能が低下しており、とくに%peak VO2/HRで低下が目立った。1回心拍出量の低下が疑われるが、安静時の評価では1回拍出量との相関はなく、RpIとCpとの相関性を認め肺血管特性との関連が示唆された。
【結論】ASDにおいて運動耐応能の低下を認める例が存在し、とくに%peak VO2/HRの低下が目立ち、肺血管特性との関連が示唆された。
【目的】ASDにおける運動耐容能低下に影響を与える因子を明らかにする。
【方法】2019年1月~2024年12月にASDに対して同時期に心肺運動負荷試験(CPX)、心臓カテーテル検査(Cath)、心臓MRI(CMR)を実施した38例を対象とした。CPXで計測されたmax HR、%peak VO2、%peak VO2/HR、%AT、VE vs VCO2 slope、%ΔVO2/ΔWRとCathでの圧データ(平均肺動脈圧、左室拡張/収縮末期圧、右室拡張/収縮末期圧)、肺血管抵抗(RpI)、肺血管キャパシタンス(Cp)、CMRでのQp/Qs、両心室容量指標(拡張/収縮末期容量、1回心拍出量)と比較した。
【結果】対象の年齢は11.4 ± 0.4歳、max HR 184.6 ± 16.2 bpm、%peak VO2 98.7 ± 18.4 %、%peak VO2/HR 73.8 ± 32.5 %、%AT 124.3 ± 29.1 %、VE vs VCO2 slope 27.1 ± 4.7、%ΔVO2/ΔWR 107.3 ± 12.0 %であった。80%以下は%peak VO2 で4例 (10.5%)、%peak VO2/HRで25例 (65.8%)存在し、平均値も%peak VO2/HRが有意に低かった。 %peak VO2は左室拡張末期容量/収縮末期容量指数(ml/m2)と正相関(r = 0.48, p = 0.006 / r = 0.4, p = 0.026)、%peak VO2/HRはRpIと負相関、Cpと正相関 (r = -0.37, p = 0.03 / r = 0.45, p = 0.007) を認めた。また、Qp/Qs、肺動脈圧や右室容量との相関性は認めなかった。
【考察】ASDの一部で運動耐応能が低下しており、とくに%peak VO2/HRで低下が目立った。1回心拍出量の低下が疑われるが、安静時の評価では1回拍出量との相関はなく、RpIとCpとの相関性を認め肺血管特性との関連が示唆された。
【結論】ASDにおいて運動耐応能の低下を認める例が存在し、とくに%peak VO2/HRの低下が目立ち、肺血管特性との関連が示唆された。