講演情報
[I-P02-2-02]IVIg抵抗性の川崎病に対し4th lineにて血漿交換行うも冠動脈病変形成しなかった2例
○堀 創馬1, 野々原 洋輔1, 宮里 茉樹1, 後藤 直人1, 坂口 大典1, 酒井 達紘1, 渡辺 健2, 鶴見 文俊1 (1.公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院, 2.たかばたけウィメンズクリニック)
キーワード:
川崎病、冠動脈瘤、血漿交換
【背景】川崎病では第9病日までに治療が奏効することを目指すとされている。血漿交換(PE)は川崎病治療において強力な一手であるが、解熱まで平均3日程度要すことや、導入や施行中の管理の難しさからガイドライン上3rd line以降の扱いとなっており、当院では4th lineの位置付けとなっている。今回当院で第10病日を超えてPEまで至った川崎病症例2例を経験したため提示する。【症例1】4歳女児。発熱day6、主要症状3/6で入院した。day8で皮疹以外の主要症状揃い5/6になり川崎病と診断、IVIg+アスピリンで治療開始した。day10の効果判定時は解熱得られておらず、CRPも横這いであったためIVIg+IVMP+UTIで追加治療行い解熱得られた。しかしday13で再熱発し、口唇発赤も出現したため3rd lineとしてIFX投与した。なおも解熱得られずday15から4th lineとして3日間のPEを行ったところ解熱得られたため、続いてIVIg+ CsAで治療行いday30に退院とした。経過中冠動脈#1,5,6,11のz-scoreは=+2.0以上になることはなかった。【症例2】2歳男児。発熱day2、主要症状4/6で入院した。day4で主要症状6/6まで増加、川崎病の診断でKobayashi score 7点であったことからIVIg+PSL+アスピリンで1st line開始した。しかしday6にも解熱は得られずIVIg+IVMP+UTIで追加治療開始、day8に解熱得られたもののday9に再熱発あり3rd lineとしてIFX投与した。なおも解熱得られず4th lineとしてday12から3日間のPE施行したところ解熱得られ、IVIg+IVMP+CsAで追加治療後day32に退院とした。経過中day16に冠動脈#5:z-score=+2.3と拡大傾向にはあったが以降徐々に縮小しday29にはz-score =+0.9まで退縮した。#1,6,11のz-scoreは+2.0以上になることはなかった。【結論】今回それぞれday15,day12でPE施行となった症例を経験した。day10以降の治療開始とはなったがCAL冠動脈瘤形成は回避できておりday10以降であってもPEの効果は期待できると考える。