講演情報

[I-P02-4-01]閉塞性睡眠時無呼吸による徐脈性不整脈に対して、非侵襲的陽圧換気療法が著効した症例

坂口 哲矢1, 宮村 文弥2, 服部 裕介3, 松尾 倫4 (1.熊本大学 小児科, 2.熊本大学 小児科, 3.熊本大学 小児科, 4.熊本大学 小児科)
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キーワード:

閉塞性睡眠時無呼吸症候群、徐脈性不整脈、肥満

【背景】閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、肥満者に高率に発生し高血圧や耐糖能異常を併存しやすいことから心血管障害・心臓リズム障害を通して予後にも影響を与えるとされる。今回我々は肥満に伴うOSAにより最大7.9秒ものsinus pausが認められ、非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)にて著名な心臓リズムの改善を認めた症例を経験したため報告する。【症例】症例は13歳女子(154cm, 91kg, BMI38.4)。てんかん発作、睡眠障害に対して抗てんかん薬、睡眠導入剤などで経過を見られていた。ビデオ脳波検査の為の入院中に徐脈を認め、ホルター心電図検査を施行したところ、夜間睡眠中に最大7.9秒のsinus pausを認めた。明らかなblock等はなく、日中は徐脈を認めず睡眠時にのみ顕在化をすることから、ポリグラフィーを装着しOSAの精査を行ったところ、無呼吸低呼吸指数(AHI)は5.0と軽症域だったものの、最大28.0秒の無呼吸を認めた。OSAに伴う不整脈と判断しBiPAP装着を開始した。装着後モニター上の不整は明らかに改善し、1ヶ月後に再検したホルター心電図検査ではsinus pauseは消失し、徐脈性不整脈の著明な改善が得られた。【結語】小児においても肥満や睡眠障害などOSAのリスクがある場合には、心臓リズム障害も含めた積極的なスクリーニングと治療介入が望まれる。