講演情報
[I-P02-4-07]肺動脈分岐部血流加速をみとめた一ヶ月児の三ヶ月後の経過
○横山 岳彦, 加藤 義弘 (医療法人 葵鐘会小児科)
キーワード:
一ヶ月児、肺動脈分岐部狭窄、心雑音
【始めに】生後一ヶ月時(1M)に肺動脈分岐部(PB)の血流加速が認められる児がいる。これらのPB血流加速があっても、心雑音が生じない例が存在することを本学会で報告した。今回、PB血流の加速を生じた例における生後四ヶ月時(4M)の経過について検討したので報告する。【対象】2023年3月から8月において、一か月健診時に心臓及び腎臓超音波スクリーニング検査を希望された児253例【方法】自然入眠下もしくは空乳首による鎮静下で1Mに超音波検査施行。PBで200cm/sec以上の血流速例でさらに4Mに検査を施行した。理学所見で心雑音の有無、2DEで心雑音を生じる構造異常の有無をスクリーニングし、主肺動脈弁輪径(mPd)、左肺動脈径(lPd)、右肺動脈径(rPd)、パルスドプラー法にて、主肺動脈血流速度(mPv)、左肺動脈血流速度(lPv)、右肺動脈血流速度(rPv)を測定し、1Mと4Mを比較した。【結果】一か月健診時に53例で肺動脈分岐部の血流速度が200cm/secを越えていた。これら53例において1Mと比較して4MのmPd、lPdとrPdは有意に増加し、mPvは有意な血流速度の変化はみとめられなかったが、lPvとrPvは有意に減少していた。1Mに心雑音が聴取されていた例も全例心雑音は消失していた。また、一か月で心雑音を聴取した例では体重増加率が有意に大きかった。【結語】1MのPBの加速は4Mで改善し、心雑音も全例消失していた。1MのPB血流加速によって生じる心雑音は体重増加率に関係がある可能性が示唆された。