講演情報

[I-P03-1-02]QT延長症候群2型患者に対するメキシレチンの有用性

池田 健太郎, 佐々木 祐登, 稲田 雅弘, 浅見 雄司, 中島 公子, 下山 伸哉 (群馬県立小児医療センター 循環器科)
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キーワード:

メキシレチン、LQT2、LQT

【背景】Crottiらは2019年、2024年にQT延長症候群2型(LQT2)患者に対するメキシレチンの有用性について報告したが、本邦における報告は少ない。【方法】当院においてLQT2に対しメキシレチンを投与した患者を後方視的に検討し有用性と安全性を検討した。【結果】遺伝子検査でKCNH2変異を確認したLQT2患者5例に対しメキシレチンを投与した。性別は男性2例、女性3例。2例に失神歴を認めた。ICD植え込みを施行している症例はいなかった。全例でナドロールが導入されていた。メキシレチン投与時の平均年齢は13.6才、平均のQTcBは536.2msであった。メキシレチンの初期投与量は200mg分2または300mg分3であった。メキシレチン投与後3か月時の平均QTcBは474.2msであり、前後のQTcの差(ΔQTc)の平均は-62msであった。メキシレチン投与後あきらかな副作用の訴えは認めず失神、TdPを認めた症例はなかった。【考察】Crottiらは特にQTc>500msのLQT2患者においてメキシレチンのQTc短縮効果が高いと報告している。今回の検討においても全例でメキシレチン投与時のQTcBは500ms以上であり、投与後に著明なQTcBの短縮が認められた。また、失神を繰り返しICD植え込みを検討していた症例もメキシレチン投与後は失神のエピソードを認めておらずイベントの抑制にも有効な可能性がある。【結語】QTcB>500msの高リスクLQT2患者に対しβブロッカーに加えてメキシレチンを投与することでQTcの短縮、イベントリスクの軽減が期待できる。