講演情報

[I-P03-1-10]先天性心疾患を合併する新生児・乳児期早期症例の不整脈内服薬についての検討

吉田 修一朗1, 松本 一希1, 朱 逸清1, 佐藤 純1, 小山 智史1, 吉井 公浩1, 大島 康徳1, 西川 浩1, 櫻井 寛久2, 野中 利通2 (1.JCHO中京病院 中京こどもハートセンター 小児循環器科, 2.JCHO中京病院 中京こどもハートセンター 心臓血管外科)
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キーワード:

不整脈、新生児、不整脈薬

【目的】先天性心疾患を合併する新生児、乳児期早期例で不整脈薬内服を必要とした症例を対象として予後について検討を行う。【方法】2017年から2024年に先天性心疾患治療目的で入院した新生児479例を対象とし、周術期に一時的に不整脈薬の静脈投与を行った症例を除き、生後60日以内に不整脈に対して不整脈薬内服を施行した42例について後方視的に検討をおこなった。心疾患、不整脈の種類、投与開始時期、不整脈薬、投与期間、予後につき評価を行った。【結果】単心室修復を目指す症例が13例(S群:内8例は無脾症候群、1例は多脾症候群)、2心室修復を目指す症例が29例(B群)。不整脈は心房頻拍7例、心室頻拍7例、リエントリー性上室頻拍28例。投与開始時期は中央値14(0--51)日。期間中に手術を施行した症例は29例であった。不整脈発症時期は、術前6例、術後23例。不整脈薬はアミオダロン4例、タンボコール35例、インデラル3例。アブレーションは2例(いずれもS群)で施行。転機は死亡6例(S群2例、B群4例)でいずれも非不整脈死であった。生存36例で不整脈薬を中止した症例が22例(S群3例、B群19例)であり、中央値12(1-52)か月であった。内服中止後再発を1例で認めた。【考察】不整脈薬投与は、周術期前後で開始となる症例が多かった。内服投与を行った症例でも、周術期不整脈の可能性を考えB群では66(19/29)%で生後1年程度で内服薬を中止可能であり、不整脈再発例は1例のみであった。S群は不整脈により容易に循環破綻をきたすため内服継続されている症例が多かった。解剖学的なアクセスも考慮してフォンタン術施行前に電気生理検査を行い内服中止できるか検討をおこない、適宜アブレーション治療を施行した後に内服中止をしていた。【結語】2心室修復症例では1歳程度で中止可能な症例が多く、単心室症例ではフォンタン手術前の電気生理検査にて内服薬の必要性につき検討することが必要と考えられた。