講演情報

[I-P03-2-06]難治性川崎病に対する初回短期プレドニゾロン併用IVIGとIVMP併用IVIGでの追加治療の有用性

藤田 秀樹, 近藤 亜耶, 上村 和也 (加古川中央市民病院 小児循環器内科)
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キーワード:

川崎病、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン

各種薬剤の出荷制限が頻繁に行われるようになり、免疫グロブリン(IG)製剤のみならず各種ステロイド剤もこの問題に直面している。【目的】当院ではIG製剤の供給不足から小林スコア5点(K5)以上の川崎病(KD)の初回治療をIVIG単独から2022年3月下旬に24時間目までの短期のプレドニゾロン(PSL)併用IVIGに転換したが、メチルPSL(MP)が保険適用となったことに伴い、2023年10月から2nd line治療をIVIGに3日間のIVMPを後療法なしで併用しており、その有用性を検証する。【方法】2019年1月1日から2025年2月16日までに初回治療を行ったK5以上のKDの治療経過を診療録を用いて調査し、期間中のIVIG単独例と比較した。【結果】初回治療IVIGのみの76例中37例、初回治療を短期PSL併用IVIGの49例中16例で追加治療がなされていた(49% vs 33%, P=0.096)。3rd line以上を要したのはIVIGのみ2nd lineまで行った34例中10例、短期PSL併用IVIG後にIVMP+IVIGで治療した11例にはなかった(29% vs 0%, P=0.089)。1か月時の冠動脈後遺症(Z≧2.5)は2nd line までIVIGのみが2例、短期PSL併用IVIG後のIVMP+IVIGではIVMP前に右冠動脈Z=3.6で最大5.0となっていた1例(Z=2.5)あった。【考察】症例数が少なかったことから2nd lineや3rd lineの有意な減少には至っておらず、RAISEやPost RAISE studyより再発熱から追加治療に至る頻度が高いが、IVIGのみと同様の基準で追加治療を行え、追加治療が遅れるリスクは減る。2nd lineも短期PSLや1回のみのIVMP併用で十分な症例も多いと考えられるが、比較研究は今後の検討課題である。【結語】長期間のPSL併用でなくても、ステロイドを積極的に併用することでK5以上のKD治療が容易になる。