講演情報
[I-P03-2-10]難治性川崎病に対する血漿交換とメチルプレドニゾロンパルス併用療法の有効性
○星野 真介, 井口 貴文, 藤田 聖実, 古川 央樹 (滋賀医科大学小児科学講座)
キーワード:
川崎病、血漿交換、ステロイドパルス療法
血漿交換(plasma exchange, PE)療法とメチルプレドニゾロンパルス(methylprednisolone pulse, IVMP)療法は、難治性疾患に対する3rd line治療の一つとして位置付けられているが、両者を併用した治療に関する報告は限られている。当院では、3rd line以降で特に血管炎の強い症例に対してPEとIVMPの併用療法を実施しており、良好な治療成績を得ている。PE療法を施行した患者のうち、IVMPを併用した症例を対象に、臨床的特徴と治療効果を後方視的に検討した。2014年1月以降に当院でPEを施行した23例のうち、IVMPを併用した19例を対象とした。対象患者の発症時年齢は中央値2.9歳であり、PEの施行病日は中央値9日(6-13日)であった。PE開始時の検査データでは、WBC 20,300(12,000-35,300)μg/ml、CRP 20.9(9.2-32.0)mg/dl、Alb 1.6(1.3-2.3)g/dlであり、1例は川崎病ショック症候群であった。17例(89%)でPE開始後5日以内に解熱が得られ、PE施行日数は17例で3日間、2例で5日間であった。血管病変に関しては、PE開始前に6例で小動脈瘤を認めたが、治療後に4例で退縮を認めた一方、2例では小動脈瘤が残存した。 PE+IVMP併用療法はサイトカインの除去と産生抑制の両面に作用することで、炎症の抑制と血管病変の改善に寄与する可能性が示唆された。