講演情報
[I-P03-3-03]当センターにおける単心室疾患の18および13トリソミー症候群児の手術介入に関する検討
○土田 裕子1, 藤岡 泰生1, 宍戸 亜由美1, 杉山 隆明1, 天方 秀輔2, 竹田 知洋2, 安川 峻3, 小林 城太郎3, 中尾 厚2, 稲毛 章郎1, 大石 芳久1 (1.日本赤十字社医療センター 小児科, 2.日本赤十字社医療センター 新生児科, 3.日本赤十字社医療センター 心臓血管外科)
キーワード:
trisomy 18、trisomy 13、single-ventricle hemodynamics
【背景】当センターでは先天性心疾患(CHD)を合併した18(T18)、13トリソミー(T13)症候群に対し、家族希望のもと、適応を判断して手術介入を行っている。単心室形態に対しての治療介入は、主に在宅医療への移行を目的とした姑息術を実施しているが、同様の施設は国内でも有数と考える。
【目的】単心室形態のCHDを合併したT18、T13に対する手術介入例の背景・治療経過を検討する。
【方法】2006年1月から2025年1月末までにT18、T13の単心室形態に対し手術介入した10例を対象とした。患者背景、手術方法、周術期合併症、術後転帰などについて診療録に基づき後方視的に検討した。
【結果】染色体異常の内訳はT18 9例(モザイク1例)、T13 1例だった。心疾患は全例で左室低形成またはborderline LVで、DORV7例、CoA complex2例、HLHS1例だった。心外合併奇形は臍帯ヘルニア1例、低位鎖肛1例、食道閉鎖1例、喉頭気管軟化4例であった。手術内容はmPAB1例、mPAB+PDA clipping2例、bil PAB7例で、手術時日齢は4-55(中央値16)、手術時体重は900-2351(中央値1534)gであった。1例は心臓カテーテルで日齢3にBASと日齢136にPDA stentingを施行した。現在術後入院管理中の1例以外に、5例(50%)が生存退院した。生存退院の術後生存日数の中央値は20(範囲7-56)ヶ月である。現在生存の3例は心不全治療薬投与、気管切開術後、在宅呼吸器管理中である。全死亡は6例(60%)で、周術期死亡1例、在院死亡3例、在宅管理例は2例だった。死因は心不全4例、呼吸不全1例、感染による肺出血1例だった。
【考察】T18、13で単心室形態であっても、心疾患に対する姑息術により、50%は在宅管理へ移行する事ができていた。また、気管切開など呼吸の安定化や重症感染症が回避できれば比較的長期生存が得られていることが判明した。一方で在院死亡した例も認めるため、手術適応に関しては、併存疾患や重症度を考慮した慎重な判断が必要である。
【目的】単心室形態のCHDを合併したT18、T13に対する手術介入例の背景・治療経過を検討する。
【方法】2006年1月から2025年1月末までにT18、T13の単心室形態に対し手術介入した10例を対象とした。患者背景、手術方法、周術期合併症、術後転帰などについて診療録に基づき後方視的に検討した。
【結果】染色体異常の内訳はT18 9例(モザイク1例)、T13 1例だった。心疾患は全例で左室低形成またはborderline LVで、DORV7例、CoA complex2例、HLHS1例だった。心外合併奇形は臍帯ヘルニア1例、低位鎖肛1例、食道閉鎖1例、喉頭気管軟化4例であった。手術内容はmPAB1例、mPAB+PDA clipping2例、bil PAB7例で、手術時日齢は4-55(中央値16)、手術時体重は900-2351(中央値1534)gであった。1例は心臓カテーテルで日齢3にBASと日齢136にPDA stentingを施行した。現在術後入院管理中の1例以外に、5例(50%)が生存退院した。生存退院の術後生存日数の中央値は20(範囲7-56)ヶ月である。現在生存の3例は心不全治療薬投与、気管切開術後、在宅呼吸器管理中である。全死亡は6例(60%)で、周術期死亡1例、在院死亡3例、在宅管理例は2例だった。死因は心不全4例、呼吸不全1例、感染による肺出血1例だった。
【考察】T18、13で単心室形態であっても、心疾患に対する姑息術により、50%は在宅管理へ移行する事ができていた。また、気管切開など呼吸の安定化や重症感染症が回避できれば比較的長期生存が得られていることが判明した。一方で在院死亡した例も認めるため、手術適応に関しては、併存疾患や重症度を考慮した慎重な判断が必要である。