講演情報

[I-PD2-2]TPVI不適合症例の現状と新規デバイス導入による今後の治療戦略の変化

藤本 一途, 村山 友梨, 加藤 愛章, 黒嵜 健一 (国立循環器病研究センター 小児循環器内科)
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キーワード:

経カテーテル的肺動脈弁留置術、ファロー四徴症、肺動脈弁閉鎖不全

【背景】TPVIによる治療選択肢が増える中、TPVI不適合症例も増加しているがこれらの臨床像は不明である。また近年導入予定の大口径超高耐圧バルーンやCPステントが治療戦略に与える影響も未知数である。【目的】適応は満たすもののHarmony未施行症例 (H群) の臨床像と新規導入デバイスによる治療戦略の変化を予測する。【方法】検討1: 当センターでTPVIを検討した症例全体 (T群)に占めるH群の割合と形態的特徴を検討する。 検討2: H群におけるTPVI未施行理由・PVR施行の有無・新規デバイス導入により予想される戦略の変化を検討する。【結果】検討1: T群90例の内H群48例 (53%)で、H群の中で形態的にTPVI不適合と判定されたのが22例 (24%)であった。判定理由はRVOT拡大が7例、pyramidal shapeが5例、狭窄が4例、急峻な角度のRVOTが2例、冠動脈異常が2例、短縮したmPAが1例、bunny ear like PAが1例であった。検討2: H群の中でカンファレンスで経過観察が適当と判断、患者様が治療に躊躇されたり検討中の症例を除く26例の内PVRを施行または予定は14例で未介入が11例 (T群の12%)、TPVI待機中死亡が1例であった。未介入の理由は耐術能低下3例、高齢が2例、手術拒否2例、他に就労環境・染色体異常などであった。大口径超高耐圧バルーン・CPステント導入でTPVI適応となる可能性がある症例がH群の中でそれぞれ2例、1例であった。【結語】介入適応にもかかわらずPVRを含めた未介入症例が存在し、これらの多くは手術も困難であり今後デバイスの改良や新規TPVIデバイス導入が必要である。PS合併症例の一部は新規デバイス導入でTPVIに適合する可能性がある。