講演情報

[I-PD3-3]産科医から見た胎児心臓スクリーニングの現状と今後の方向性

新谷 光央 (浜松医科大学 産科婦人科)
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キーワード:

Fetal echocardiography、Fetal cardiac screening、Fetal ultrasound

超音波診断装置の進歩とスクリーニング技術の普遍化に伴い、妊婦健診におけるCHDの発見率は総じて上昇したが、疾患によっては一定の水準で頭打ちの傾向にあり、その中にはTAPVCやdTGAなど胎児診断がより重要な重症疾患が含まれる。本パネルディスカッションでは、スクリーニングにて見逃された疾患に注目し今後のガイドラインの在り方を論じることになるが、まず、population-based studyと言える鹿児島県・山梨県のデータを用いて実際の疾患ごとの胎児診断率と、産科医へのアンケート調査の結果を確認したうえで、産科医のスクリーニング率向上を目指すために必要なことは何なのかを考察したい。スクリーニング方法の更なる追及なのか、教育・指導の工夫や改善なのか、あるいは産科医の個々の意識の向上なのか…。日本胎児心臓病学会による教育セミナーや胎児心エコー講習会をはじめ、学会や個人によるセミナー、あるいは各地域で産科医を対象とした研究会や臨床フォーラムなど、胎児心臓について学習する機会は以前よりも多様である。2023年に実施した静岡県内の産科医へのアンケート調査では、産科医の胎児心臓への意識が低いわけではないことも見て取れたが実際はどうなのか。産科医が胎児心臓をより苦難なくスクリーニングできるようになるために求めていることは何なのか。産科医の視点により論じてみたい。