講演情報
[I-PPD1-2]小児の心筋疾患の移行期医療の課題と対策:生涯医療の視点から
○廣野 恵一 (富山大学 附属病院 小児科)
キーワード:
心筋疾患、移行期医療、成人期
近年の医療の進歩により、肥大型・拡張型・拘束型心筋症や心筋緻密化障害などの小児の心筋疾患患者の大半が成人期に達するようになった。しかし、移行期に適切な支援体制がなければ、診療中断・予後不良・QOL低下を来すことが明らかになっている。先天性心疾患と異なり、心筋疾患は遺伝的背景を有することが多く、進行性である点、突然死リスクの層別化が重要である点など、移行期医療において特有の課題が存在する。
心筋疾患特有の課題として、小児期発症の心筋疾患は、成人期に固有の課題を呈する。肥大型心筋症では思春期の体格変化に伴う流出路狭窄の増悪、拡張型心筋症では妊娠・出産時の血行動態変動による心不全リスク、心筋緻密化障害では成人期になって顕在化する不整脈リスクなど、病型ごとに特徴的な問題がある。また、サルコメア遺伝子異常などの遺伝情報の再評価や、患者自身の将来設計や子どもへの遺伝に関するカウンセリングも重要となる。
効果的な心筋疾患移行期医療実現のためには、病型別リスク評価に基づく構造化された移行プログラムの確立、小児循環器医と成人心筋症専門医が協働する移行期外来の設置、心筋症特有の合併症予防に関する段階的な患者教育の実施、遺伝カウンセラーを含む多職種連携体制の構築が必要である。特に、心筋疾患ごとの移行期医療の標準化と全国レジストリとの連携が重要となる。
心筋疾患の移行期医療は単なる内科への転科ではなく、年齢に応じた病態変化と治療戦略の更新、遺伝情報の再評価、家族計画支援を含む生涯管理プログラムとして再構築すべきである。個々の患者の遺伝子型・表現型・心理社会的背景を統合した個別化医療アプローチにより、小児の心筋疾患患者の生涯にわたる質の高い医療提供が可能となるだろう。
心筋疾患特有の課題として、小児期発症の心筋疾患は、成人期に固有の課題を呈する。肥大型心筋症では思春期の体格変化に伴う流出路狭窄の増悪、拡張型心筋症では妊娠・出産時の血行動態変動による心不全リスク、心筋緻密化障害では成人期になって顕在化する不整脈リスクなど、病型ごとに特徴的な問題がある。また、サルコメア遺伝子異常などの遺伝情報の再評価や、患者自身の将来設計や子どもへの遺伝に関するカウンセリングも重要となる。
効果的な心筋疾患移行期医療実現のためには、病型別リスク評価に基づく構造化された移行プログラムの確立、小児循環器医と成人心筋症専門医が協働する移行期外来の設置、心筋症特有の合併症予防に関する段階的な患者教育の実施、遺伝カウンセラーを含む多職種連携体制の構築が必要である。特に、心筋疾患ごとの移行期医療の標準化と全国レジストリとの連携が重要となる。
心筋疾患の移行期医療は単なる内科への転科ではなく、年齢に応じた病態変化と治療戦略の更新、遺伝情報の再評価、家族計画支援を含む生涯管理プログラムとして再構築すべきである。個々の患者の遺伝子型・表現型・心理社会的背景を統合した個別化医療アプローチにより、小児の心筋疾患患者の生涯にわたる質の高い医療提供が可能となるだろう。