講演情報
[I-PPD1-3]当院における川崎病後巨大冠動脈瘤患者の発症後20年以上の長期予後
○大木 寛生, 伊藤 美貴, 山口 修平, 吉田 真由子, 妹尾 祥平, 山田 浩之, 小山 裕太郎, 永峯 宏樹, 前田 潤, 三浦 大, 山岸 敬幸 (東京都立小児総合医療センター 循環器科)
キーワード:
川崎病、巨大冠動脈瘤、長期予後
【背景】川崎病(KD)後巨大冠動脈瘤(GCAA)は主要心血管イベント危険因子であり生涯切れ目ない監視が必要である.進学,成人,就職,結婚,転居,主治医交代,転院などドロップアウトの契機となるライフイベントを乗り越えていく必要がある.
【方法】2004年まで25年間に入院したKD中GCAA(径8mm以上)合併例のKD発症後20年の生死,ドロップアウト,移行状況,心外合併症,心筋梗塞(MI),カテーテル治療・冠動脈バイパス術,冠動脈狭窄・閉塞について調査した.
【結果】KD730例中GCAA合併27(男19)例.右冠動脈/左主幹部/左前下行枝24/4/17本(径8.0-25.0/8.0-17.0/8.0-19.9mm).KD発症年齢中央値1.6(幅0.3-9.2)歳.観察期間19.0(0.2-33.3)年.急性期治療アスピリン(A)単独13/90(14.4%),A・ガンマグロブリン(IVIG)分割(200-400mg/kg/日3~5日間)13/394(3.3%),A・IVIG一括(2g/kg/日)1/246(0.4%).死亡3(心筋梗塞1,突然死1,冠動脈バイパス術後1)例,ドロップアウト5(カテ後1,進学1,就職1,転居1,転院1)例.全例移行済(隣接成人施設8/19例).心外合併症6(発達遅滞1,統合失調症1,脂質異常症1,糖尿病1,水頭症1,全身性エリテマトーデス1)例.MI8(3か月以内5,2年以内7)例,全例抗血小板剤(APD)のみ内服下,ワーファリン(W)内服併用下MIなし.カテーテル治療5(ロータブレーター4,ステント1)例・冠動脈バイパス術3例.冠動脈狭窄・閉塞15例.Kaplan-Meier 10-20-30年生存率88-88-88%, MI回避率73-65-65%, カテーテル治療・冠動脈バイパス術回避率86-69-69%,冠動脈狭窄・閉塞回避率69-42-36%.
【結論】KD発症後2年までMI多くAPD・W併用で防ぐも経年的に生じる冠動脈狭窄・閉塞にカテーテル治療・冠動脈バイパス術を要しながらGCAA合併KD患者の生命予後は比較的良好であった.ライフイベントに応じてドロップアウトしやすく自施設自科のみの経過観察には限界があるため生涯医療提供のためには患者教育が重要と思われた.
【方法】2004年まで25年間に入院したKD中GCAA(径8mm以上)合併例のKD発症後20年の生死,ドロップアウト,移行状況,心外合併症,心筋梗塞(MI),カテーテル治療・冠動脈バイパス術,冠動脈狭窄・閉塞について調査した.
【結果】KD730例中GCAA合併27(男19)例.右冠動脈/左主幹部/左前下行枝24/4/17本(径8.0-25.0/8.0-17.0/8.0-19.9mm).KD発症年齢中央値1.6(幅0.3-9.2)歳.観察期間19.0(0.2-33.3)年.急性期治療アスピリン(A)単独13/90(14.4%),A・ガンマグロブリン(IVIG)分割(200-400mg/kg/日3~5日間)13/394(3.3%),A・IVIG一括(2g/kg/日)1/246(0.4%).死亡3(心筋梗塞1,突然死1,冠動脈バイパス術後1)例,ドロップアウト5(カテ後1,進学1,就職1,転居1,転院1)例.全例移行済(隣接成人施設8/19例).心外合併症6(発達遅滞1,統合失調症1,脂質異常症1,糖尿病1,水頭症1,全身性エリテマトーデス1)例.MI8(3か月以内5,2年以内7)例,全例抗血小板剤(APD)のみ内服下,ワーファリン(W)内服併用下MIなし.カテーテル治療5(ロータブレーター4,ステント1)例・冠動脈バイパス術3例.冠動脈狭窄・閉塞15例.Kaplan-Meier 10-20-30年生存率88-88-88%, MI回避率73-65-65%, カテーテル治療・冠動脈バイパス術回避率86-69-69%,冠動脈狭窄・閉塞回避率69-42-36%.
【結論】KD発症後2年までMI多くAPD・W併用で防ぐも経年的に生じる冠動脈狭窄・閉塞にカテーテル治療・冠動脈バイパス術を要しながらGCAA合併KD患者の生命予後は比較的良好であった.ライフイベントに応じてドロップアウトしやすく自施設自科のみの経過観察には限界があるため生涯医療提供のためには患者教育が重要と思われた.