講演情報

[II-CPD4-3]国産小児用血管ベアメタルステント開発

白石 泰之1, Hou Xiaoxi1, Chikweto Francis1, 坪子 侑佑2, 岡本 吉弘1, 富田 英3 (1.東北大学加齢医学研究所心臓病電子医学分野, 2.国立医薬品食品衛生研究所医療機器部, 3.昭和医科大学 小児循環器・成人先天性心疾患センター)
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キーワード:

ベアメタルステント、先天性心血管治療、血管内治療

小児期および先天性心血管治療用ベアメタルステントの開発に着手した。成人大動脈解離の治療を目的として、これまで分岐血流と弯曲部位にも留置可能なベアメタルステントの開発研究を実施してきた。これらの研究開発および製造技術を基盤技術として応用し、小児用ベアメタルステントの試作開発を実施している。留置性と精確性のほか、心負荷軽減のための血流分配を可能とし、近接する周辺組織にも障害を来さない放射支持力を開発キーワードに据え、多段拡張可能な仕様を検討している。さらに、成長の早い動物を用いて、非臨床評価を実施することで、開発研究だけでなく、前臨床試験としての非臨床試験を迅速に進め承認審査につなげることを意図し、迅速実用化を目指した小児期および先天性心血管治療用ステントの非臨床評価プロジェクトが開始された。革新的医療機器として先天性心血管治療用の非臨床評価国際標準化を目的としている。先天性心疾患、心臓大血管の構造的疾患に対するカテーテル治療のガイドライン等では、成人の血管系まで拡大できるステント留置はクラス1推奨であるが、一方で国内製品はなく、海外製品についても適応外使用である。国内で国際標準を目指した非臨床in vivo試験系により安全性評価が行えることで、開発研究基盤だけでなく、国内でのベアメタルステントの実用化が可能となることを目標としている。実臨床のニーズをふまえ、多段拡張を可能とし、留置後の放射支持力を維持でき、狭窄・縮窄血管部位の血流正常化を来すステント開発のアプローチについて議論を進めたい。