講演情報

[II-JHRSJS-3]新しいCIED(刺激伝導系ペーシング、リードレスPM、ICD)

石橋 耕平 (国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門 不整脈科)
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キーワード:

刺激伝導系ペーシング、リードレスペースメーカ、ICD

植込み型心臓電気デバイス(CIED)は近年、目をみはる進歩を遂げている。ペースメーカの領域では、以前から問題視されていた右室心尖部ペーシングによるペーシング誘発性心筋症を解決すべく、刺激伝導系ペーシングが提案された。当初は刺激伝導系を直接補足するヒス束ペーシングが行われていたが、閾値上昇に伴うペーシング不全の問題顕在化にともない、現時点では左脚領域ペーシングが積極的に行われ注目されている。この左脚領域ペーシングは左脚を直接的に捕捉しない左室中隔ペーシングも含むため、理解に注意を要する。また、デバイス感染既往例や先天性心疾患などで経静脈リードの植込みが難しい症例に推奨されるリードレスペースメーカ(PM)に関しても、以前から使用されていた心室デバイスに加え、本年より心房デバイスが使用可能となった。心房デバイスは心室デバイスと異なるデバイスであるため、使用に一定の注意を要する。植込み型除細動器(ICD)に関しては、以前から使用されていた経静脈ICD(TV-ICD)と皮下植込み型ICD(S-ICD)に加え、胸骨下にリードを植え込む血管外ICD(EV-ICD)が本年より使用可能となった。EV-ICDは、S-ICDと同様に血管を温存することが可能であることに加え、心外膜付近にリードを植え込むことによりS-ICDにはない抗頻拍ペーシング機能を有する。本年だけでも2つの新しいデバイスが使用可能となり注目されている本項のトピックに関し、色々な角度から皆様にお話ししたい。