講演情報
[II-OR24-05]Circumflex aortaの診断と治療
○篠原 玄, 落合 由恵, 弘中 裕士, 馬場 啓徳, 仁田 翔大, 徳久 滋彦 (JCHO九州病院 心臓血管外科)
キーワード:
Vascular Ring、Circumflex aorta、Aortic arch anomaly
【緒言】
Circumflex aorta (CxAo)は食道後方を大動脈弓が対側の下行大動脈へ走行する血管輪の病型でBliedenらにより1978年にはじめて報告され、稀な血管輪とされ、頻度は不明である一方、近年Aortic uncrossing procedure(AUP)による外科治療の報告が増加している。
【目的・方法】
当院の2000年以降のVascular Ring (VR)修復症例におけるCxAoの頻度、臨床像、診断、治療を後方視的に検討した。
【結果】
VR修復17例、4例(23%)にCxAoを認めた。女児3例(75%)、2例に染色体異常(ともに22番短腕欠失症候群)、2例にCHD合併(VSD2例)を認め、CxAo以外の術前VR診断はAberrantSCA3例、double aortic arch1例で、うち術前にCxAoと診断されたものは1例のみで、3例は今回術前術後画像の再検討で診断確定した。手術時年齢中央値10ヶ月(IQR7,12)で術前診断確定した1例にAUPを施行され、ほか3例の術式はVR前方成分の離断3例 (動脈管(索)離断2例、small arch division1例)のほか、Kommerel憩室切除、SCA移植1例であった。術後観察期間38ヶ月(13,119)で再手術はなく、AUP以外の3例では主に喘鳴などVR症状の残存が疑われ、慎重に経過観察中である。
【考察】
血管輪においてCxAoは稀ではなく、今後さらなる疾患概念の普及による診断率向上の可能性があると考えられる。AUP未施行の3例はいずれも残存気管狭窄が疑われ、横走大動脈を食道後方にとどめないAUPが今後考慮されるが、再手術の適応判断が明確でない問題がある。動脈管(索)離断、small arch divisionによる索状/低形成血管成分切除のVR全体に対する治療成績では再手術は少ないとされるが、CxAoに対しては組織伸展性に富んだ幼少期までに初回手術でのAUPを第1選択とする方針が妥当と思われる。
Circumflex aorta (CxAo)は食道後方を大動脈弓が対側の下行大動脈へ走行する血管輪の病型でBliedenらにより1978年にはじめて報告され、稀な血管輪とされ、頻度は不明である一方、近年Aortic uncrossing procedure(AUP)による外科治療の報告が増加している。
【目的・方法】
当院の2000年以降のVascular Ring (VR)修復症例におけるCxAoの頻度、臨床像、診断、治療を後方視的に検討した。
【結果】
VR修復17例、4例(23%)にCxAoを認めた。女児3例(75%)、2例に染色体異常(ともに22番短腕欠失症候群)、2例にCHD合併(VSD2例)を認め、CxAo以外の術前VR診断はAberrantSCA3例、double aortic arch1例で、うち術前にCxAoと診断されたものは1例のみで、3例は今回術前術後画像の再検討で診断確定した。手術時年齢中央値10ヶ月(IQR7,12)で術前診断確定した1例にAUPを施行され、ほか3例の術式はVR前方成分の離断3例 (動脈管(索)離断2例、small arch division1例)のほか、Kommerel憩室切除、SCA移植1例であった。術後観察期間38ヶ月(13,119)で再手術はなく、AUP以外の3例では主に喘鳴などVR症状の残存が疑われ、慎重に経過観察中である。
【考察】
血管輪においてCxAoは稀ではなく、今後さらなる疾患概念の普及による診断率向上の可能性があると考えられる。AUP未施行の3例はいずれも残存気管狭窄が疑われ、横走大動脈を食道後方にとどめないAUPが今後考慮されるが、再手術の適応判断が明確でない問題がある。動脈管(索)離断、small arch divisionによる索状/低形成血管成分切除のVR全体に対する治療成績では再手術は少ないとされるが、CxAoに対しては組織伸展性に富んだ幼少期までに初回手術でのAUPを第1選択とする方針が妥当と思われる。