講演情報

[II-OR25-01]匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)オープンデータから見た経皮的心房中隔欠損閉鎖術・動脈管開存閉鎖術の動向

富田 英 (昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

National Database of Health Insurance Claims、心房中隔欠損、動脈管開存

【はじめに】NDBは厚生労働省が高齢者の医療の確保に関する法律(高確法)に基づき、レセプト情報、特定健康診査及び特定保健指導の実施状況その他の高確法で規定する医療保険等関連情報を個人の特定ができない形で収集し、匿名化したデータベースをいう。2014年から開始され2022年までのデータが収集されており、2014年度末の時点で全レセプトの90%以上の情報を格納する、悉皆性の高いレセプト情報のデータベースとされている。オープンデータは厚生労働省web siteに公開されているデータで自由に利用することができる。【対象と方法】https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177182.htmlに公開されている2014-2022年のオープンデータから、心房中隔欠損と動脈管開存に対する経皮的閉鎖術の動向、浸透率を検討した。結果はじめに2014年から2022年に経皮的心房中隔欠損閉鎖術/外科的心房中隔欠損閉鎖術(肺動脈弁狭窄合併例を含む)/浸透率は996/883/53%, 984/866/53%, 1231/809/60%, 1259/786/62%, 1276/724/64%, 1463/665/69%, 1021/532/66%, 1170/616/66%, 1301/56/70%で2019年以後70%前後となっている。2022年度、15歳未満では490/380/56%, 15歳以上では797/65/92%であった。都道府県別の浸透率は78-83%で、最も高いのは岡山県であった。動脈管開存閉鎖術は同様に396/631/39%, 414/622/40%, 447/597/43%, 456/570/44%, 443/488/48%, 545/470/54%, 445/431/51%, 475/427/53%, 457/356/56%で、2019年以後50%を超えている。2022年度、都道府県別の浸透率は52-100%で、5県では100%であった。【考察と結語】NDBはオープンデータのみでもレセプトにもとづく、経皮的心房中隔欠損閉鎖術・動脈管開存閉鎖術の動向について有用な情報を提供する。アカデミアが運用している各種レジストリと合わせることにより、詳細な実臨床データの利活用が期待される。