講演情報
[II-OR25-04]小児におけるGore Cardioform ASD occuluderの安全性:Wire frame fractureの発生頻度と特徴
○矢野 瑞貴1, 石井 徹子1, 西畑 綾夏1, 佐藤 要1, 奥主 健太郎1,2, 前田 佳真1, 東 浩二1, 青墳 裕之1 (1.千葉県こども病院 循環器内科, 2.千葉大学医学部附属病院 小児科)
キーワード:
経皮的心房中隔欠損閉鎖術、Gore Cardioform ASD occuluder、Wire frame fracture
[背景] Gore Cardioform ASD occuluder(GCA)は留置後の約3~4割にWire frame fracture(WFF)が発生するとされ、当院ではWFFに伴う僧帽弁穿孔で外科手術を要した症例を1例経験した。
[目的] 小児におけるGCAのWFFについて、特徴と安全性を評価すること。
[対象・方法] 対象は2022年5月から2023年8月に当院でGCAを留置した二次孔型心房中隔欠損症19例で、フォローアップ中のレントゲン画像・透視画像を用いて、WFFの発生頻度を後方視的に検討した。また、デバイス辺縁のWFFの有無(A群:あり、B群:なし)で分類し、患者の体格・欠損孔のサイズ・心房中隔長と閉鎖栓サイズの比を比較した。[結果] 対象患者の年齢は5~14歳(中央値:8歳)、身長は103~156cm(中央値:125cm)、体重は17~47kg(中央値:23kg)、リム欠損例は16例(84%)、中隔Malalignment症例は2例(10%)、使用した閉鎖栓のサイズは27mmが1例、32mmが5例、37mmが9例、44mmが4例であった。フォローアップ期間は治療後3ヶ月~2年(中央値:1年4ヶ月)で、27mm群と32mm群ではWFFの発生がなかった一方で、37mm群の9例中6例(67%)、44mm群の4例中4例(100%)でWFFの発生が見られた。WFFの新規発生時期は治療後1ヶ月~2年(中央値:3ヶ月)であった。辺縁型WFFは計5例(37mm:2例、44mm:3例)で、44mm群の1例で僧帽弁穿孔により閉鎖栓の外科的摘出を要した。また、WFFが見られた37mm群と44mm群で辺縁型WFFの有無により分類し比較すると、体格や欠損孔のサイズで明らかな差を認めなかった一方で、心房中隔長と閉鎖栓サイズの比ではA群が90%~121%(中央値:108%)、B群が82~124%(中央値:98%)と、A群において心房中隔長より大きめの閉鎖栓を選択している傾向にあった。
[結語] 小中学生を中心とした患者層では、37mm以上のサイズのGCAでWFFの発生が既報より高頻度であった。デバイス辺縁のWFFは心損傷のリスクがあり、注意深い経過観察が必要である。
[目的] 小児におけるGCAのWFFについて、特徴と安全性を評価すること。
[対象・方法] 対象は2022年5月から2023年8月に当院でGCAを留置した二次孔型心房中隔欠損症19例で、フォローアップ中のレントゲン画像・透視画像を用いて、WFFの発生頻度を後方視的に検討した。また、デバイス辺縁のWFFの有無(A群:あり、B群:なし)で分類し、患者の体格・欠損孔のサイズ・心房中隔長と閉鎖栓サイズの比を比較した。[結果] 対象患者の年齢は5~14歳(中央値:8歳)、身長は103~156cm(中央値:125cm)、体重は17~47kg(中央値:23kg)、リム欠損例は16例(84%)、中隔Malalignment症例は2例(10%)、使用した閉鎖栓のサイズは27mmが1例、32mmが5例、37mmが9例、44mmが4例であった。フォローアップ期間は治療後3ヶ月~2年(中央値:1年4ヶ月)で、27mm群と32mm群ではWFFの発生がなかった一方で、37mm群の9例中6例(67%)、44mm群の4例中4例(100%)でWFFの発生が見られた。WFFの新規発生時期は治療後1ヶ月~2年(中央値:3ヶ月)であった。辺縁型WFFは計5例(37mm:2例、44mm:3例)で、44mm群の1例で僧帽弁穿孔により閉鎖栓の外科的摘出を要した。また、WFFが見られた37mm群と44mm群で辺縁型WFFの有無により分類し比較すると、体格や欠損孔のサイズで明らかな差を認めなかった一方で、心房中隔長と閉鎖栓サイズの比ではA群が90%~121%(中央値:108%)、B群が82~124%(中央値:98%)と、A群において心房中隔長より大きめの閉鎖栓を選択している傾向にあった。
[結語] 小中学生を中心とした患者層では、37mm以上のサイズのGCAでWFFの発生が既報より高頻度であった。デバイス辺縁のWFFは心損傷のリスクがあり、注意深い経過観察が必要である。