講演情報
[II-OR25-05]ワイヤーフレーム型心房中隔欠損閉鎖デバイスの留置断念例
○宗内 淳, 杉谷 雄一郎, 清水 大輔, 豊村 大亮, 池田 正樹, 峰松 伸弥, 峰松 優季, 田中 惇史, 渡邉 まみ江 (JCHO九州病院 小児科)
キーワード:
心房中隔欠損、カテーテル治療、ゴアカルディオフォーム
【目的】ワイヤーフレーム型心房中隔欠損(ASD)閉鎖デバイス(GCA)はその柔軟性故に心浸食リスクが低減される一方、技術面、上大静脈(SVC)狭窄や房室弁(M弁)接触のため留置断念例がある。本研究はそのような症例の特徴を明らかにすることを目的とする。
【方法】GCAによる閉鎖例(51例)において、欠損孔径(最大径、経食道心エコー30度および60度径、バルーン計測径)、辺縁長(大動脈、上大静脈、僧帽弁)、心房中隔長を抽出し、治療成功例と断念例の2群間で比較検討した。SVC狭窄は圧較差を生じた場合、M弁接触は前尖3分の1を超えての接触とした。
【結果】治療断念例10例(4%)。治療成功例と断念例を比較すると、年齢(10[7-13]vs.8[7-9]歳,P=0.083)、体重(31[21-45] vs.23[20-29] kg,P=0.097)、最大径(14.3[11.8-17.7]vs.16.7[14.2-18.1],P=0.296)、30度径(12.9[9.5-16.2] vs.15.2[12.0-16.4],P=0.172)、120度径(11.7[10.3-14.0]vs.12.5[9.9-13.8],P=0.915)、バルーン径(15.9[14.2-20.2]vs.18.4[16.1-19.9],P=0.286)であり、30度/120度径比が治療断念群で大きい傾向にあった(1.07[0.91-1.22]vs. 1.22[1.08-1.50],P=0.050)。大動脈辺縁長(2.1[1.3-2.9]vs. 1.6[0.3-2.2],P=0.134)、M弁辺縁長(12.7[9.7-15.9]vs.11.3[9.5-12.2],P=0.255)に有意差はみられなかったが、SVC辺縁長(8.7[7.6-11.0] vs. 7.3[5.5-8.6],P=0.048)が治療断念例で有意に短かった。使用デバイスは27mm:6 vs.1例、32mm:13vs.1例、37mm:18vs.7例、44mm:4 vs.1例であった(P=0.467)。技術面あるいはM弁接触のためワイヤーメッシュ型デバイスへの変更例はそれぞれ7例および2例、SVC狭窄のためサイズ変更した症例1例であり、M弁接触例では有意に欠損孔30度径/120度径比>1.4だった(P=0.02)。
【結論】横長楕円でSVC辺縁長が短い症例はGCA閉鎖困難例であり、欠損孔30度径/120度径>1.4であるとM弁接触リスクが高まると考えられた。
【方法】GCAによる閉鎖例(51例)において、欠損孔径(最大径、経食道心エコー30度および60度径、バルーン計測径)、辺縁長(大動脈、上大静脈、僧帽弁)、心房中隔長を抽出し、治療成功例と断念例の2群間で比較検討した。SVC狭窄は圧較差を生じた場合、M弁接触は前尖3分の1を超えての接触とした。
【結果】治療断念例10例(4%)。治療成功例と断念例を比較すると、年齢(10[7-13]vs.8[7-9]歳,P=0.083)、体重(31[21-45] vs.23[20-29] kg,P=0.097)、最大径(14.3[11.8-17.7]vs.16.7[14.2-18.1],P=0.296)、30度径(12.9[9.5-16.2] vs.15.2[12.0-16.4],P=0.172)、120度径(11.7[10.3-14.0]vs.12.5[9.9-13.8],P=0.915)、バルーン径(15.9[14.2-20.2]vs.18.4[16.1-19.9],P=0.286)であり、30度/120度径比が治療断念群で大きい傾向にあった(1.07[0.91-1.22]vs. 1.22[1.08-1.50],P=0.050)。大動脈辺縁長(2.1[1.3-2.9]vs. 1.6[0.3-2.2],P=0.134)、M弁辺縁長(12.7[9.7-15.9]vs.11.3[9.5-12.2],P=0.255)に有意差はみられなかったが、SVC辺縁長(8.7[7.6-11.0] vs. 7.3[5.5-8.6],P=0.048)が治療断念例で有意に短かった。使用デバイスは27mm:6 vs.1例、32mm:13vs.1例、37mm:18vs.7例、44mm:4 vs.1例であった(P=0.467)。技術面あるいはM弁接触のためワイヤーメッシュ型デバイスへの変更例はそれぞれ7例および2例、SVC狭窄のためサイズ変更した症例1例であり、M弁接触例では有意に欠損孔30度径/120度径比>1.4だった(P=0.02)。
【結論】横長楕円でSVC辺縁長が短い症例はGCA閉鎖困難例であり、欠損孔30度径/120度径>1.4であるとM弁接触リスクが高まると考えられた。