講演情報
[II-OR25-06]成人動脈管開存の臨床的特徴と経皮的動脈管閉鎖術後の血行動態変化について
○朝貝 省史, 小暮 智仁, 竹蓋 清高, 酒井 哲理, 原田 元, 島田 衣里子, 石戸 美妃子, 稲井 慶 (東京女子医科大学病院 循環器小児・成人先天性心疾患科)
キーワード:
成人動脈管開存、経皮的動脈管閉鎖術、高血圧
【背景】動脈管開存(PDA)は成人期まで発見されず、心不全、肺高血圧、心房細動、感染性血管内膜炎を契機に診断されることがある。また成人PDAでは石灰化や動脈管組織の脆弱性、動脈硬化のため残存shuntによる溶血や動脈管穿孔のリスクなど小児PDAとは異なる特徴がある。
【目的】成人PDA患者の臨床的特徴と経皮的PDA閉鎖術前後の血行動態について検討する事。【対象と方法】2011年1月から2024年8月までに当院でPDAに対するカテーテル治療を行った154症例のうち、18歳以上の36症例を対象とした。年齢は中央値49歳(20-77歳)、男性5人(14%)、高血圧(HT)既往18人(50%)、心不全既往14人(39%)、不整脈(afib)2人、動脈管周囲の石灰化17人(47%)、肺高血圧13人(36%)。内服薬:降圧薬12人、利尿薬8人。
【結果】診断の契機: 労作時息切れ10人、動悸2人、心雑音14人、心拡大5人、IE1人、偶発的なTTEやCT8人、krichenko type: A21人、C6人、E9人、閉鎖手段: ADO31人、ADOII2人、AVPII2人、coil1人。手技に伴う合併症なし。カテーテル治療前後でNYHA(NYHAIII→II1人、II→I7人)、CTR、LVIDd、MR(≧moderate)の改善を認めた(50±7→47±6% p<0.05, 55±8→49±5mm p<0.001, 5→0人 p<0.05)。ROC曲線を描くとHT cut offは44.4歳(AUC0.87、感度78%、特異度100%)、石灰化 cut offは46.7歳(AUC0.84、感度72%、特異度89%)。年齢(cut off 値45歳)で二群間に分けると高年齢で優位に治療後CTR高値(49±5 vs 44±6%, p<0.05)、治療後sBP高値(151±18 vs 111±13mmHg, p<0.001)、治療前後でsBP上昇(15±16 vs 1±7mmHg, p<0.01)、治療後LAD高値(38±5 vs 31±5mm, p<0.001)であった。
【結語】成人PDA患者では高年齢で優位にHTや動脈管周囲の石灰化を認め、治療後も後負荷増大によるsBP高値を認める。成人PDA患者は早期の治療介入を勧め、治療前からの厳密な血圧コントロールを行う事で合併症リスクの軽減に努める必要がある。
【目的】成人PDA患者の臨床的特徴と経皮的PDA閉鎖術前後の血行動態について検討する事。【対象と方法】2011年1月から2024年8月までに当院でPDAに対するカテーテル治療を行った154症例のうち、18歳以上の36症例を対象とした。年齢は中央値49歳(20-77歳)、男性5人(14%)、高血圧(HT)既往18人(50%)、心不全既往14人(39%)、不整脈(afib)2人、動脈管周囲の石灰化17人(47%)、肺高血圧13人(36%)。内服薬:降圧薬12人、利尿薬8人。
【結果】診断の契機: 労作時息切れ10人、動悸2人、心雑音14人、心拡大5人、IE1人、偶発的なTTEやCT8人、krichenko type: A21人、C6人、E9人、閉鎖手段: ADO31人、ADOII2人、AVPII2人、coil1人。手技に伴う合併症なし。カテーテル治療前後でNYHA(NYHAIII→II1人、II→I7人)、CTR、LVIDd、MR(≧moderate)の改善を認めた(50±7→47±6% p<0.05, 55±8→49±5mm p<0.001, 5→0人 p<0.05)。ROC曲線を描くとHT cut offは44.4歳(AUC0.87、感度78%、特異度100%)、石灰化 cut offは46.7歳(AUC0.84、感度72%、特異度89%)。年齢(cut off 値45歳)で二群間に分けると高年齢で優位に治療後CTR高値(49±5 vs 44±6%, p<0.05)、治療後sBP高値(151±18 vs 111±13mmHg, p<0.001)、治療前後でsBP上昇(15±16 vs 1±7mmHg, p<0.01)、治療後LAD高値(38±5 vs 31±5mm, p<0.001)であった。
【結語】成人PDA患者では高年齢で優位にHTや動脈管周囲の石灰化を認め、治療後も後負荷増大によるsBP高値を認める。成人PDA患者は早期の治療介入を勧め、治療前からの厳密な血圧コントロールを行う事で合併症リスクの軽減に努める必要がある。