講演情報
[II-OR27-01]チーム医療における医師事務作業補助者の目指すべき役割とは
○田中 祥子1, 上田 秀明2, 柳 貞光2, 若宮 卓也2 (1.神奈川県立こども医療センター 医事・診療情報管理課, 2.神奈川県立こども医療センター 循環器内科)
キーワード:
医師事務作業補助者、チーム医療、外来診療
【背景】チーム医療とは、一人の患者に複数のメディカルスタッフ(医療専門職)が連携して、治療やケアに当たることを示す。医師事務作業補助者もチームの一員と位置付けられており、医師の事務的サポートにとどまらず多くの専門職とコミュニケーションをとる状況にある。【目的】循環器内科外来で診療録の記載を行う医師事務作業補助者(MS)と医療専門職との連携について検証する【方法】MSと専門職との患者情報連携の事例を抽出し検証する【結果】1. 入院時持参薬の情報伝達 当院では入院時に外来主治医とは別の医師が患者を担当し、その都度処方を行なう。散剤の内服困難な児が、処方された散剤を自宅で市販のカプセルに詰め内服を行なっていた。入院予約時に母親からカプセルに詰めた内服薬の持参希望があり、その旨を診療録に記載した。入院前支援で、看護師の聞き取とりも行われたが、入院担当医による処方オーダーにその内容は反映されていなかった。MSから入院担当医に状況を伝え、持参薬の投薬が実施された。2.通訳手配が必要な患者 希少言語のため通訳の手配が比較的困難な患者であった。カテーテル治療の日程を決め、通訳が手配された。別の患者の治療キャンセルがあった場合に、家族と医師の間では治療日程を早めることが決まっていた。通訳手配の日程変更の可能性について、医師に代わりMSから医療ソーシャルワーカーに早めに伝え、情報共有を行った。【考察・結語】多岐にわたる業務を抱えている医師にかわり、積極的に医療専門職と連携をとることで、医師の負担軽減のみならず情報伝達がスムーズとなり、業務や患者サービスの向上につながった。医師事務作業補助は、医療の現場において、柔軟な対応を行うことで様々な専門職をつなぐ役割を果たすことで出来る。今後は、コミュニケーションスキルを高めることで、チーム医療への貢献、患者満足度の向上につながる横の連携の構築に努めたい。