講演情報
[II-OR28-01]小児専門病院における長期入院付き添い者の現状とニーズ
○木村 愛子, 原山 千穂子, 入江 千恵, 中川 かな恵, 櫻井 千穂 (宮城県立こども病院 看護部 本館3階病棟)
キーワード:
付き添い、長期入院、家族
【目的】付き添い家族の生活の現状と課題からニーズを明らかにすることを目的とする。【方法】A病棟に入院した0~12歳の患児のうち、1カ月以上の入院付き添いをしたことがある家族24名に、無記名式自記式質問紙による付き添い入院中の家族の食事・睡眠休息・入浴・経済状況等の調査を行い、単純集計にて分析した。【倫理的配慮】当院倫理委員会の承認を得た。【結果】「睡眠・休息」について66%が不満を訴えており最も多かった。次いで58パーセントが「経済的不安」があり、54.6%が「食事」についての不満があった。「入浴」への不満は29.2%であった。87%が付き添いを希望しており、希望した理由として「こどもと一緒にいたかった」「こどもが小さく心配だった」が多く、付き添いを希望しなかった理由として、「きょうだいの世話」「仕事や家事」「看護師がいるなら必要ない」等の意見があった。【考察】付き添いを希望する家族は多いが、病棟環境や経済的負担が要因となり、付き添い生活への満足度は低い結果となった。家族がストレスを抱えることなく付き添いを続けられるような病棟環境の整備や付き添い時に家族が担う役割についての検討を行うことが喫緊の課題であり、病院の取り組みとして、付き添い家族に院内売店の割引クーポン配布を開始している。今後の取り組みとして、付き添いがなくとも家族が安心して患児を預けることができる体制作りや、付き添い家族が担う役割の再検討、それぞれの家族背景に合わせた個別的な対応が求められる。