講演情報
[II-OR28-06]PICUの先天性心疾患術後患者に携わる看護師の小児のせん妄に対する意識調査~教育介入とせん妄の評価スケール(CAPD)の導入を行って~
○南島 香, 津留 藍理, 藏ヶ崎 恵美, 阿部 のぞみ, 三川 奈津美 (福岡市立こども病院)
キーワード:
小児せん妄、PICU、先天性心疾患
【はじめに】A病院PICUでは、先天性心疾患術後患者に、せん妄症状が出現することが頻繁に見られる。これまで、せん妄の評価スケール(以後CAPD)導入を試みたが定着していない。そこで今回、教育介入によるPICU看護師の小児のせん妄に対する意識と予防的な看護実践の変化、今後の課題を明確にしたいと考えた。【方法】研究期間:2024.5-2025.2。PICUに勤務する同意を得られた看護師(新卒新人を除く)に、せん妄に関する知識と実践のアンケートを教育介入前後で実施し、その後のCAPD実施率を調査した。統計的検定を行い、有意水準5%とした。【結果】アンケート有効回答率は、介入前70.4%、介入後77.8%、CAPD実施率52%であった。教育介入前後では、全項目で有意に点数が上昇した。教育介入前は各項目に有意な相関関係はなかったが、教育介入後は知識・認識と観察・アセスメントp=0.0035、観察・アセスメントとケア・実践p=0.0002、ケア・実践と知識・認識p=0.0025で各項目に有意な相関関係を認めた。「CAPDを用いてせん妄を評価しようとしている」はp=0.0006と介入後に有意に点数が上昇した。【考察】教育介入によって全ての項目で有意に点数が上昇し、相関関係が見られるようになったことから、知識の向上と看護実践に繋げる意識が高まったと言える。しかし、CAPDを用いた評価の必要性を感じていながらも実施率は52%と十分に定着しなかったのは、小児特有の意識レベルの判定の難しさや急性期管理が優先されることの難しさ、せん妄ケアの効果が実感できないことが要因であると考える。今後の継続的な取り組みにより評価を定着させていく必要がある。【結論】教育介入によって、せん妄への認識は高まり、アセスメント・ケアに繋げるという意識向上がみられた。しかし、実践には困難感があり、今後もOJTを含む教育介入を継続し、せん妄予防ケアを推進していく。