講演情報
[II-P01-1-05]自閉症疑いの児への入院生活における医療的介入方法
○安部 美依里1, 小林 佳代子1, 安田 和志2, 野村 羊示2 (1.あいち小児保健医療総合センター 21病棟, 2.あいち小児保健医療総合センター 循環器科)
キーワード:
自閉症、医療的介入の統一、スケジュール化
【背景】拘束型心筋症を発症し、移植待機のため入院加療が必要となった4歳男児に対して自閉スペクトラム症(以下ASD)の特性を考慮した対応を行うことで、医療的介入の受け入れに繋がることを経験したため報告する。【事例】児は感覚過敏や特定の物事への執着、癇癪を起こしやすいなどASDを強く疑う症状がみられており、入院加療が難しく、外来にて治療を継続していた。症状の悪化に伴い、移植を見据えた入院加療が必要となったが、ASDの特性が強く、介入が難しかった。【看護の実際】ASDの特性を踏まえて外来治療を行いながら短期入院を実施し、医療的ケアを順応できるように介入していた。しかし検査や処置が増加したことで癇癪を起こすことが多く、介入が困難であった。そのため、児が実施する医療的ケアを1週間の中で固定し、習慣化した。そして、毎朝1日のスケジュールを母児と確認し、例外的に必要となったことに対しては、事前に保育士や看護師が説明して、心の準備ができる時間を設けるようにした。医療者の対応が統一されていないことで癇癪を起こすことがあったため、多職種、家族と共に検討して処置方法や役割分担など対応も統一した。【結果・考察】医療的ケアの際に癇癪を起こす回数が減少し、落ち着いて医療的ケアを受けられるようになった。癇癪の時間も短くなったため、安全に医療ケアが実施できるようになった。児の特徴に合わせて医療的ケアのスケジュールを固定化すること、ケアを実施する前に児に説明することは、児が自分なりに医療的ケアの必要性を理解することに繋がった。また家族の役割や専門分野を生かしながら、関わり方を統一することで習慣化の固定となり、不安軽減となった。【まとめ】ASDを強く疑う児に対して児の特性を多職種や家族と検討して、スケジュールを固定化し,対応を統一したことで、児が医療的ケアを受け入れやすい状況となったと思われる。