講演情報
[II-P01-1-06]拡張型心筋症の自閉症児に対する多職種連携による介入
○稲毛 里緒1, 小林 佳代子1, 田中 優2, 安田 和志2 (1.あいち小児保健医療総合センター 21病棟看護師, 2.あいち小児保健医療総合センター 循環器科)
キーワード:
拡張型心筋症、自閉症、多職種連携
【はじめに】近年、自閉スペクトラム症(以下自閉症とする)と診断されている児は年々増加傾向である。児は自閉症があり、コミュニケーション障害と興味や行動へのこだわりが強く、対応が困難であったが、多職種連携によって得られた対応により入院生活に適応できるようになった。本児への対応を振り返り、自閉症児の入院生活への適応方法について検討する。【事例】児は10歳、男児、拡張型心筋症と自閉症があった。児は自ら発語することが少なく、感情表現も乏しく、コミュニケーション方法に困難があった。そのため、母から児の特性に関する情報を得た。その後、医師と看護師、保育士、理学・作業療法士、心理士でカンファレンスを行い、介入方法について検討した。【結果】母の情報をもとに、保育士と協力し1日のスケジュールがひと目みて分かるように視覚化することや、説明の順序を考えて話すようにした。また、本人の関わり方については心理士に、筋力低下防止や日々の治療意欲向上のために理学・作業療法士に介入を依頼した。それらの介入により、児は入院生活に適応できていた。【考察】自閉症という特性から、病態や治療への理解度を測ることが難しかった。しかし、児との関わりの中で、順序立てて端的に児の発達段階に合わせた言葉で話をすることや視覚化したことで「やらなければならないこと」の理解は得られ、混乱を起こすことなく必要な治療を受けることができていた。また、関わり方の工夫や統一化、筋力低下防止や日々の治療意欲向上が必要と評価し、多職種と連携したことにより児は入院生活に適応できていたと考える。【まとめ】多職種と連携を行ったことによって、多方向からの視点で児に対する介入方法を検討できた。児はコミュニケーション方法や説明のタイミング・方法を考慮し、視覚的ツールを使用したことで、児は混乱を招くことなく必要な治療を受けられることができていた。