講演情報

[II-P01-2-05]3D プリンティングモデルとバーチャルリアリティを活用した成人先天性心疾患患者教育と自立支援

小平 真幸1, 福山 隆博2, 丸山 篤志2, 神野 太郎2, 木村 舞1, 住友 直文2, 小柳 喬幸2, 木村 成卓3, 山岸 敬幸2, 家田 真樹1 (1.慶應義塾大学医学部循環器内科, 2.慶應義塾大学医学部小児科, 3.慶應義塾大学医学部心臓血管外科)
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キーワード:

自立支援、心臓MRI、成人先天性心疾患

【目的】本邦では多くの施設で、adult congenital heart disease (ACHD)患者を成人循環器内科医に移行できず小児循環器内科医が継続して診療している現状がある。移行医療が進まない背景には、経験・知識を有するACHD専門医の不足がまず挙げられる。しかし、それに加え本邦ではACHD患者教育プログラムが不足し、各々の患者が自分の疾患の病態生理に関する理解が進まず自立できていないことも原因として挙げられる。ここに、3Dモデルを用いた患者と医療提供者の間でのイメージ共有のニーズがある。3D プリンティングモデルやVirtual Reality (VR)といった先駆的画像ツールを通じてACHD患者の疾患および病態への理解さらには循環器内科医の理解を向上させることにある。本研究の最終目標はACHD患者の教育を通じて患者の理解を向上することで、ACHD患者の自立を進め生活の質を高めることである。【方法】ACHD外来に通院している患者のなかから複雑な解剖を有するACHD患者を抽出し、外来受診時に本研究の目的および意義を説明し、参加の希望がある患者から同意書を取得する。すべての患者が3D printing modelとVRによる病態説明を受け、教育プログラムを受講する。教育プログラム前後で理解度を質問票を通じて評価し比較する。【成績】現時点で7名が研究に登録されていて60名を目標としている。これらの先駆的画像ツールへのACHD患者の関心は強く、登録は順調である。【結論】ACHD患者の自立を支援するための先駆的画像ツールを用いた教育プログラムが始動しており、効果については検証中である。