講演情報

[II-P01-2-07]自立支援シートを使っての実践報告

平方 多美子1, 宗内 淳2, 山崎 啓子3 (1.JCHO 九州病院, 2.JCHO 九州病院, 3.純真学園大学)
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キーワード:

自立支援、発達支援、自己管理

【背景・目的】当院では乳幼児から成人まで先天性心疾患の患者が福岡県内外から受診している。自立支援の必要性を感じていたが、自立支援に関する支援ツールは発達支援や社会福祉資源と看護介入は別々に作成されていることが多く、関連する資料を確認しながら患者家族への支援を行わなければならなかった。今回、発達支援から医療助成費の申請と看護介入を集約したシートを作成し、看護師らがあらゆる場面で介入ができるようにしたので報告する。【方法】9歳~11歳のフォンタン術後の患児と保護者で、同意を得た4例に初回面談を行った。病気の理解や薬の管理、今まで困ったことなどの情報に基づいて次回の目標を一緒に考えた。【結果】初回面談では、病気の理解と薬の内容と作用の理解を目標にした事例が多かった。ここでは、自分のことを他者に伝えられるようになることが必要になることを説明した。3か月後に実施した2回目の面談では、患児の受け入れ(反応)状況を確認しながら行った。介入の結果、「薬の自己管理ができ飲み忘れがなくなった」「粉薬から錠剤に変えてもらうように医師に自分で伝えられた」ことがあった。病気の理解に関して患児は、「心臓病」と親より大まかに説明されていることが多く、親から生まれたときの大変さや手術の時の大変さを改めて聞き、大変な時期を過ごし今ここにいることを理解してもらった。さらに小児循環器学会の一般向けの病気説明のホームページを紹介し動画視聴をすすめたところ、3事例が視聴していた。【考察・今後の課題】今回の結果からも、9歳から自己管理の導入を始めることは、自分の気持ちを言えることができ、自己判断ができる年齢にさしかかる時期であるため効果的であると考える。特に子どもの反応を見ながら、子どもの心の準備に合わせて、一緒に目標を立てすすめていくことが、患児自らが病気と向き合っていく姿勢に繋がったのではないかと考える。