講演情報

[II-P01-3-06]サイズ拡大を目的としたBlalock-Taussig シャントに対するステント留置術

喜瀬 広亮, 藤井 隆成, 山岡 大志郎, 矢内 俊, 齊藤 真理子, 清水 武, 堀川 優衣, 堀尾 直裕, 山下 真知, 宮原 義典, 富田 英 (昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センター)
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キーワード:

Blalock Taussig shunt、カテーテル治療、ステント留置

【背景】Blalock Taussig(BT)シャントに対するステント留置は、「心内修復の適応がない患者でBTの有意な狭窄があり、他に肺血流を増加する手段がない場合」に考慮される(クラス2b)が、心内修復を含めた次期手術待機中の症例においても成長によるサイズミスマッチやシャント狭窄により肺血流の増加が必要となる場合には、伸展性を有するGore-Tex血管に対するステント留置は有効な治療選択肢となる。【症例】症例1:肺動脈閉鎖,心室中隔欠損,出生体重 2197g。日齢24に右BTシャント(3.5mm)を施行。7ヵ月時に左BTシャント(4mm)を追加。11ヵ月時に右BTシャントに対して Xience 4.5mmを留置した。症例2:両大血管右室起始。肺動脈狭窄。鎖肛。出生体重 1174g。1ヵ月時にPTPV施行。2ヵ月時に右BTシャント(3.5mm)を施行。1歳9ヵ月時にストーマ手術閉鎖時に酸素飽和度の低下あり。BTシャントの完全閉塞を認めたため、再開通の上Express SD 5mmを留置した。症例3 右室型単心室、肺動脈閉鎖、出生体重 2657g。日齢16に左BTシャント(3.5mm)を施行。生後2ヵ月時にXience 4.5mm。ステント留置は、全例で人工血管全長をカバーし、拡張径は≦ シャント径+2mmで施行した。1例でステント留置後のバルーンカテーテル抜去困難を生じたが、buddy wireにより速やかに抜去でき、血栓形成は生じなかった。各々の症例で酸素飽和度は76→88%, 75→85%, 75→84%と上昇を認め、次期手術まで再治療介入の不要であった。【まとめ】シャントサイズ拡大を目的としたBTシャントに対するステント留置は良好な拡大と肺血流の増加が得られ、追加シャント術の代替治療となり得る。