講演情報

[II-P01-3-08]当院でのRV-PA conduitに対するカテーテルでの治療介入

川合 英一郎1, 八木 耕平1, 佐藤 大二郎1, 星 菜美子1, 大軒 健彦1, 新田 恩1, 小澤 晃1, 熊江 優2, 松尾 諭志2, 崔 禎浩2 (1.宮城県立こども病院 循環器科, 2.宮城県立こども病院 心臓血管外科)
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キーワード:

RV-PA導管、カテーテル治療、ステント留置

当院では2020年以降、左心低形成症候群(HLHS)やその類縁疾患に対してNorwood手術の際の肺血流を確保する方法として右室-肺動脈導管(RV-PA導管)を用いてきた。その中で、RV-PA導管に対してカテーテルでのバルーン拡張やステント留置を要する症例を複数経験した。それらの症例からRV-PA導管に対するカテーテル介入について検討した。2020年以降、当院でのRV-PA導管の施行は20症例であった。Classical HLHSが9症例、HLHS variantが4症例、その他の左心系が低形成な疾患が7症例であった。うち19症例が径5mmの導管、1症例のみが6mmの導管を使用していた。術中に導管をクリップして血流の制限を行ったのは7症例あった。全20症例のうちカテーテルでの介入を要したのは8症例。導管にクリップをかけた7症例のうち3症例は外科的にクリップ解除されたが、4症例でカテーテルでのクリップ解除を行った。導管狭窄へのバルーン拡張術のみを行ったのは3症例、ステント留置は2症例あり1症例はクリップ解除後の新たな狭窄進行に対してステント留置、また他の1例はHybridでのステント留置を行った。カテーテルでの治療介入時期は導管手術後1か月から6か月と症例により幅があったが、いずれも低酸素血症が進行した状態あるいは進行が予想される状態で介入している。クリップ解除に関しては術後3か月前後に行われていた。クリップを用いることで術後の循環適応や成長に要する時間を稼ぐことができ、より心負荷の少ない循環管理が可能になる。ステント留置症例では導管の近位側の心室から肉柱が張り出す形で流出路狭窄を来しており、導管から心室内に突出させる形でステントを留置した。RV-PA導管留置症例では、特に低酸素血症進行時の導管および周辺の形態確認と速やかなカテーテル介入が重要と考えられた。